マーケティング予算の決め方|積み上げ・配分・月次予実の実例

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カテゴリ: マーケティング予算・KPI
著者: 与謝秀作
マーケティング予算は、達成したい成果に必要な活動と費用を計画するものです。売上の一定比率だけで決めず、目標から必要な活動量を逆算し、社内の実行能力と資金制約を照合します。承認後も、実績と契約済みの費用を含めて着地を見直します。
売上比率は上限確認、積み上げは実行計画に使う
方法 | 使いどころ | 弱点 |
|---|---|---|
売上比率法 | 過去実績と照らして規模感を確認 | 費用範囲や事業段階が違う会社とは比較しにくい |
目標逆算・積み上げ | 必要施策・数量・単価を具体化 | 転換率の仮定が楽観的だと不足する |
利益・資金制約から設定 | 回収可能性と支払い時期を確認 | 短期採算だけで新規施策を抑えやすい |
業界平均を使う場合は、調査年、地域、回答企業の規模、費用に人件費や営業費が含まれるかを確認します。条件が揃わない比率を「自社の適正予算」と扱わないでください。まず自社の前期実績を同じ費目へ組み替える方が、予算差の説明に役立ちます。
目標から必要量を計算する
仮想例として、新規受注20件、商談からの受注率25%、有効リードからの商談化率20%なら、必要商談は80件、有効リードは400件です。有効リード単価が1万円という計画なら獲得費は400万円。ここに制作・運用の費用が含まれるかを確認し、二重計上を避けます。
受注率が20%なら必要商談は100件、有効リードは500件になります。楽観・基本・慎重の3ケースを置き、予算上限で達成できる目標と不足する能力を明らかにしましょう。受注まで数か月かかる場合は、今期の獲得が今期の売上になるとは限りません。
費目別に積み上げる記入例
以下は月次予算の仮想例で、相場や推奨配分ではありません。人件費は対象業務への配賦額です。
費目 | 計画 | 実績 | 契約済み未計上 | 追加見込 |
|---|---|---|---|---|
媒体費 | 60万円 | 30万円 | 0万円 | 30万円 |
制作費 | 20万円 | 5万円 | 15万円 | 0万円 |
外注運用費 | 10万円 | 0万円 | 10万円 | 0万円 |
社内人件費 | 10万円 | 4万円 | 0万円 | 6万円 |
合計 | 100万円 | 39万円 | 25万円 | 36万円 |
着地見込=実績39万円+契約済み未計上25万円+追加見込36万円=100万円です。実績だけを見れば61万円残っていますが、その全額を追加で使えるわけではありません。すでに契約した制作費や今月残りの配信計画があるためです。
予算配分を決める手順
- 継続が必要な施策と契約上の固定費を先に確保する。
- 成果の根拠と拡張余地がある施策に配分する。過去の平均効率が増額後も続くとは限らない。
- 未検証の施策には、仮説・費用上限・判定日を定めた試験枠を設ける。
- 制作、営業対応、データ整備などの制約を確認し、実行できない配分を避ける。
月次の予実会議は差額の理由から次の判断へ
確認項目 | 例 | 判断 |
|---|---|---|
金額差 | 制作の支払いが翌月へずれた | 効果改善ではなく時期差として扱う |
活動差 | セミナーを1回中止 | 未使用費と目標への影響を再計算 |
単価差 | 獲得単価が想定を上回る | 対象や品質を確認し、追加投資を保留 |
成果差 | 受注が未確定 | 見込と確定を分け、評価時期を調整 |
再配分時は、移動元・移動先・金額・理由・成果への影響・承認者を記録します。承認済み予算を黙って書き換えず、当初計画と改定計画を区別すると振り返りができます。予算と支払い予定も分け、現金の不足を見落とさないようにします。
運用台帳に最低限必要な項目
施策ID、責任者、費目、対象月、当初予算、改定予算、実績、契約済み未計上、追加見込、着地見込、成果指標、承認状況を揃えます。金額の税込・税抜、通貨、締め日も決めましょう。Xtrategyの機能一覧では、メディア・労務・外注費の月次予算と実績を扱う機能を確認できます。




