カスタマージャーニーとは?マップの作り方から活用事例まで徹底解説【2026年最新】

「顧客の気持ちがわからない」「施策がバラバラで成果につながらない」——こうした課題を感じているマーケターは少なくありません。その解決策として注目されているのが、カスタマージャーニーです。
カスタマージャーニーを正しく理解し、マップとして可視化することで、顧客視点に立ったマーケティング戦略を組み立てることができます。本記事では、カスタマージャーニーの基本概念から、マップの具体的な作り方、BtoB・BtoCの活用事例まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
カスタマージャーニーとは?基本概念をわかりやすく解説
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから、比較・検討、購入、利用、そしてリピートや推奨に至るまでの一連のプロセスを「旅(ジャーニー)」に例えた概念です。英語では「Customer Journey」と表記されます。
従来のマーケティングでは、企業側の視点で「どう売るか」を考えがちでした。しかし、現代の消費者はSNS、口コミサイト、比較メディアなど複数のチャネルを横断しながら購買意思決定を行います。そのため、顧客がどのタイミングで何を考え、どんな行動をとるのかを時系列で整理するカスタマージャーニーの考え方が不可欠になっています。
カスタマージャーニーの基本フェーズ
カスタマージャーニーは、一般的に以下のフェーズで構成されます。
第1フェーズは「認知」です。顧客が課題やニーズを自覚し、解決策となる商品・サービスの存在を知る段階です。Web広告、SNS、コンテンツマーケティングなどが主な接点となります。
第2フェーズは「興味・関心」です。認知した商品・サービスに対して興味を持ち、詳しい情報を求める段階です。公式サイト、ブログ記事、ホワイトペーパーなどを通じて理解を深めます。
第3フェーズは「比較・検討」です。複数の選択肢を比較し、自社に最適なソリューションを見極める段階です。事例紹介、料金比較、無料トライアルなどが意思決定に影響を与えます。
第4フェーズは「購入・導入」です。最終的な購買意思決定を行い、商品やサービスを手に入れる段階です。購入手続きの簡便さやサポート体制が重要なポイントとなります。
第5フェーズは「継続・推奨」です。購入後の利用体験を通じて満足度が高まり、リピート購入や口コミでの推奨につながる段階です。カスタマーサクセスやロイヤルティプログラムが効果を発揮します。
カスタマージャーニーとペルソナの違い
カスタマージャーニーとペルソナは密接に関連していますが、役割は異なります。ペルソナが「誰に届けるか」を定義するのに対し、カスタマージャーニーは「その人がどのような体験をするか」を時系列で設計するものです。つまり、ペルソナを起点としてカスタマージャーニーを設計するのが正しい順序です。
なぜカスタマージャーニーが重要なのか?3つのメリット
カスタマージャーニーを導入する具体的なメリットは、大きく3つあります。
メリット1:顧客理解が深まる
カスタマージャーニーを作成するプロセスでは、顧客の行動データ、アンケート調査、インタビューなどを通じて、顧客のリアルな行動と心理を深く理解することになります。「なんとなくこうだろう」という思い込みから脱却し、データに基づいた顧客理解を実現できます。
メリット2:部門間の連携が強化される
マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポート部門など、顧客に関わるすべてのチームが同じカスタマージャーニーマップを共有することで、部門間の認識ズレを解消できます。「マーケが獲得したリードが営業に活かされない」といった分断も、ジャーニー全体を俯瞰することで改善の糸口が見つかります。
メリット3:施策の優先順位が明確になる
カスタマージャーニーを可視化すると、顧客が離脱しやすいポイントや、体験のギャップが明確になります。限られたリソースをどこに集中すべきか、データに基づいた意思決定が可能になります。たとえば、「認知から興味への移行率が低い」ことがわかれば、コンテンツ施策を強化する判断がつきやすくなります。
カスタマージャーニーマップとは?構成要素を解説
カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーを一枚の図に可視化したものです。顧客の行動、思考、感情、接点(タッチポイント)を時系列に沿って整理し、体験全体を俯瞰できるようにします。
カスタマージャーニーマップの基本的な構成要素は以下のとおりです。横軸にはジャーニーのフェーズ(認知→興味→検討→購入→継続)を配置します。縦軸には、各フェーズにおける顧客の行動、思考・感情、タッチポイント(接点チャネル)、そして自社の施策を記載します。さらに、感情曲線として各フェーズでの顧客の満足度やストレスをグラフ化することで、課題が直感的に把握できるようになります。
カスタマージャーニーマップの作り方【5ステップ】
ここからは、カスタマージャーニーマップの具体的な作り方を5つのステップで解説します。初めて取り組む方でも実践できるよう、各ステップのポイントを詳しく紹介します。
ステップ1:ペルソナを設定する
カスタマージャーニーマップの出発点は、ペルソナの設定です。年齢、職種、役職、課題、情報収集の手段など、具体的な人物像を描きましょう。BtoBであれば、意思決定に関わるステークホルダーの構成も考慮します。既存顧客へのインタビューやアンケート、アクセス解析データなどを活用すると、リアリティのあるペルソナが作れます。
ステップ2:ジャーニーのフェーズを定義する
自社のビジネスモデルに合ったフェーズを定義します。一般的には「認知→興味・関心→比較・検討→購入・導入→継続・推奨」の5段階ですが、SaaSビジネスであれば「トライアル」「オンボーディング」といったフェーズを追加するなど、事業に合わせたカスタマイズが重要です。
ステップ3:顧客の行動と心理を洗い出す
各フェーズで顧客がどのような行動をとり、何を考え、どんな感情を抱くかを洗い出します。ここで重要なのは、企業側の「こうあってほしい」という理想ではなく、実際の顧客行動をベースにすることです。Google Analyticsのユーザーフロー分析、ヒートマップツール、営業担当者へのヒアリング、カスタマーサポートへの問い合わせ内容などが有効な情報源となります。
ステップ4:タッチポイントと施策をマッピングする
顧客と自社の接点(タッチポイント)を各フェーズに配置し、それぞれに対応する施策を記載します。たとえば、認知フェーズであればSEOコンテンツやSNS広告、検討フェーズであれば事例紹介や比較表、購入フェーズであれば無料トライアルやデモ案内といった具合です。タッチポイントごとに、顧客が求める情報と自社が提供すべきコンテンツを整理しましょう。
ステップ5:課題と改善ポイントを特定する
完成したマップを俯瞰し、顧客体験上のボトルネックや改善が必要なポイントを特定します。感情曲線がマイナスに振れている箇所、タッチポイントが不足しているフェーズ、施策と顧客ニーズのミスマッチなどが典型的な改善ポイントです。特定した課題に優先度をつけ、具体的なアクションプランに落とし込むことで、カスタマージャーニーマップが実践的なツールとして機能します。
カスタマージャーニーの活用事例【BtoB・BtoC】
BtoBの活用事例:SaaS企業のリード育成
あるBtoB SaaS企業では、リードの育成プロセスをカスタマージャーニーマップで可視化しました。分析の結果、「比較・検討」フェーズで多くのリードが離脱していることが判明。原因は、他社との具体的な比較情報が不足していたことでした。そこで、競合比較表や導入事例コンテンツを充実させた結果、商談化率が従来の1.5倍に向上しました。
BtoCの活用事例:ECサイトのCV率改善
あるECサイトでは、カスタマージャーニーを分析したところ、商品ページから購入完了までの離脱率が高いことが判明しました。ジャーニーマップで顧客の心理を分析すると、「サイズ感がわからない」「返品が面倒そう」という不安が購入のハードルになっていることがわかりました。そこで、詳細なサイズガイドと返品無料ポリシーの訴求を強化した結果、コンバージョン率が20%改善されました。
カスタマージャーニーは古い?最新トレンドと注意点
「カスタマージャーニーは古い」「もう使えない」という意見を目にすることがあります。しかし、これは概念自体が古いのではなく、従来の直線的なジャーニーモデルが現代の複雑な購買行動に合わなくなっているという指摘です。
現代のカスタマージャーニーでは、以下の点を意識することが重要です。まず、顧客の行動は直線的ではなく、フェーズを行き来する非線形のジャーニーとして捉える必要があります。次に、オフラインとオンラインを横断するオムニチャネル対応が求められます。そして、AI・データ分析ツールを活用したリアルタイムのジャーニー分析によって、静的なマップから動的な顧客体験管理への進化が進んでいます。
特にBtoBマーケティングにおいては、マーケティングミックスモデリング(MMM)やマーケティングオートメーション(MA)と組み合わせることで、カスタマージャーニーの各フェーズにおける施策効果を定量的に把握し、予算配分の最適化に活用する企業が増えています。
カスタマージャーニーマップ作成に役立つテンプレートとツール
カスタマージャーニーマップの作成には、専用のツールやテンプレートを活用すると効率的です。
無料で始められるツールとしては、Googleスプレッドシートやスライドで自作する方法があります。共有性が高く、チームでの共同編集にも向いています。また、MiroやFigJamなどのオンラインホワイトボードツールには、カスタマージャーニーマップ専用のテンプレートが用意されており、ドラッグ&ドロップで直感的にマップを作成できます。
より本格的に取り組むのであれば、HubSpotやSalesforceなどのCRM/MAツールと連携し、実際の顧客データに基づくジャーニー分析を行う方法もあります。これにより、仮説ベースのマップから、データドリブンなジャーニー管理へとステップアップできます。
まとめ:カスタマージャーニーで顧客中心のマーケティングを実現しよう
カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスと出会い、購入し、ファンになるまでの一連のプロセスを可視化するフレームワークです。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客理解の深化、部門間連携の強化、施策の優先順位付けが可能になります。
作り方の5ステップ(ペルソナ設定→フェーズ定義→行動・心理の洗い出し→タッチポイントのマッピング→課題特定)を押さえておけば、初めての方でもカスタマージャーニーマップの作成に取り組めます。まずはシンプルなテンプレートから始めて、実際のデータをもとに継続的にアップデートしていくことが成功のカギです。
顧客の購買行動がますます複雑化する今こそ、カスタマージャーニーを軸にした顧客中心のマーケティングを実践してみてはいかがでしょうか。
