
GA4(Googleアナリティクス4)を導入したものの「設定が正しくできているか不安」「何を設定すれば計測を始められるのかわからない」という声は少なくありません。GA4はUAと比べて設定項目や概念が大きく変わっており、初期設定の抜け漏れがデータの精度に直結します。本記事では、GA4の設定をアカウント作成から計測開始までの全ステップで解説します。
GA4の設定はアカウント作成から始まります。Googleアナリティクス(analytics.google.com)にアクセスし、Googleアカウントでログインしたら「測定を開始」をクリックします。アカウント名を入力し、データ共有設定を確認して「次へ」に進みます。アカウント名は社名やプロジェクト名など、管理しやすい名称にしておくのがおすすめです。1つのアカウントで複数のプロパティを管理できるため、会社全体で1アカウント作成し、サイトごとにプロパティを分けるのが一般的な運用パターンです。
次にプロパティを作成します。プロパティ名にはサイト名やサービス名を入力しましょう。レポートのタイムゾーンは「日本」、通貨は「日本円(JPY)」を選択します。この設定はレポートの日付区切りや収益レポートに影響するため、正確に設定してください。プロパティ作成後、ビジネスの詳細(業種・ビジネスの規模)を選択する画面が表示されます。ここで選択した業種に応じて、GA4が推奨イベントやレポートテンプレートを提案してくれるため、なるべく正確に選択しましょう。
プロパティの作成後、データストリームを設定します。データストリームとはGA4がデータを受け取る入口のことで、「ウェブ」「Androidアプリ」「iOSアプリ」の3種類があります。Webサイトを計測する場合は「ウェブ」を選択し、サイトのURLとストリーム名を入力して「ストリームを作成」をクリックします。
作成が完了すると測定IDが発行されます。「G-」から始まる英数字の文字列で、このIDがGA4のデータ収集に使われます。測定IDはタグの設置で使用するため、必ずメモしておきましょう。なお、1つのプロパティに対して複数のデータストリームを追加できるため、Webサイトに加えてモバイルアプリも運用している場合は、それぞれのデータストリームを追加します。
GA4の計測タグの設置方法として最も推奨されるのが、GTM(Googleタグマネージャー)を使った方法です。GTMを使うと、HTMLを直接編集することなくタグの追加・変更・削除が管理画面から行えるため、運用効率が大幅に向上します。
手順は次のとおりです。まずGTM(tagmanager.google.com)にログインし、対象のコンテナを開きます。まだGTMを導入していない場合は、新規アカウントとコンテナを作成し、GTMのスニペットコードをWebサイトの全ページに設置します。次にGTMの管理画面で「タグ」→「新規」をクリックし、タグタイプとして「Googleタグ」を選択します。タグIDの欄にGA4の測定ID(G-XXXXXXXXXX)を入力します。トリガーには「All Pages(全ページ)」を設定します。最後に「保存」→「送信」→「公開」の順にクリックすれば、GA4の計測タグがWebサイト全体に配信されます。
GTMを使わない場合は、GA4が提供するグローバルサイトタグ(gtag.js)を直接HTMLに埋め込みます。GA4の管理画面でデータストリームの詳細画面を開き、「タグの実装手順を表示する」→「手動でインストールする」を選択すると、スニペットコードが表示されます。このコードをWebサイトの全ページのheadタグ内にコピー&ペーストすれば設置完了です。ただし、後からイベントタグやコンバージョンタグを追加する際に毎回HTMLを編集する必要があるため、中長期的にはGTMの導入をおすすめします。
タグの設置後は、データが正しく取得できているか必ず動作確認を行います。確認方法は主に3つあります。
1つ目はGA4のリアルタイムレポートです。GA4の管理画面で「レポート」→「リアルタイム」を開き、自分がWebサイトにアクセスした状態で、アクティブユーザーが「1」以上になっていれば計測が正常に動作しています。
2つ目はGA4のDebugView機能です。Chrome拡張機能「Google Analytics Debugger」をインストールしてオンにした状態でWebサイトにアクセスすると、GA4の管理画面の「管理」→「DebugView」でイベントがリアルタイムに流れてくるのを確認できます。送信されているイベント名やパラメータの中身まで詳しくチェックできるため、設定の検証に最適です。
3つ目はGTMのプレビューモードです。GTMの管理画面で「プレビュー」をクリックすると、Tag Assistantが起動します。対象のURLを入力してアクセスすると、どのタグが発火(配信)されたかをリアルタイムで確認できます。GA4のタグが「Tags Fired」の欄に表示されていれば正常です。
GA4にはデフォルトで「拡張計測機能」が搭載されており、追加のタグ設定なしで多くのユーザー行動を自動的に計測できます。データストリームの設定画面で「拡張計測機能」のトグルがオンになっていることを確認しましょう。
拡張計測機能で自動取得できる主なイベントは次のとおりです。ページビュー(page_view)はページの読み込み時に自動計測されます。スクロール(scroll)はページの90%までスクロールした時点で記録されます。離脱クリック(click)は外部サイトへのリンクをクリックした際に取得されます。サイト内検索(view_search_results)はサイト内検索が実行された際に記録されます。動画エンゲージメント(video_start、video_progress、video_complete)はYouTube埋め込み動画の再生開始・進行・完了を追跡します。ファイルダウンロード(file_download)はPDFやExcelなどのファイルがダウンロードされた際に計測されます。フォーム操作(form_start、form_submit)はフォームの入力開始と送信を記録します。
各項目は歯車アイコンから個別にオン・オフを切り替えることができます。サイト内検索の計測では、検索パラメータが自動検出されない場合に手動で設定が必要になるケースがあるため、実際に動作しているか確認しておきましょう。
GA4のデータ保持期間はデフォルトで2か月に設定されています。これは「探索」レポートで使用できるデータの範囲に影響するため、必ず14か月に変更しておきましょう。なお、標準レポートにはデータ保持期間の制限はなく、過去のデータも引き続き閲覧できます。
設定手順は、管理画面の左下「管理」→「データの収集と修正」→「データの保持」を開き、「イベントデータの保持」を「14か月」に変更して保存するだけです。この設定は後から変更しても遡って適用されないため、GA4の導入直後に対応するのがベストです。
Googleシグナルを有効化すると、Googleアカウントにログインしているユーザーのクロスデバイス行動データを収集できるようになります。たとえばスマートフォンで商品を閲覧し、後からPCで購入したユーザーの行動を一人のユーザーとして統合的に分析することが可能です。
設定手順は、管理画面の「データの収集と修正」→「データの収集」を開き、「Googleシグナルのデータ収集」をオンにします。ただし、Googleシグナルを有効にすると、ユーザー数が少ない場合にデータが「しきい値」によって非表示になることがあります。レポートでデータが表示されない場合は、期間を長めに設定するか、レポート用識別子を「デバイスベース」に一時的に変更して確認してみてください。
自社スタッフのアクセスが計測データに混入すると、正確な分析ができなくなります。GA4では内部トラフィックの除外設定を行うことで、特定のIPアドレスからのアクセスを除外できます。
設定は2段階で行います。まず管理画面の「データの収集と修正」→「データストリーム」→対象のストリームを選択→「タグ設定を行う」→「もっと見る」→「内部トラフィックの定義」で、除外したいIPアドレスの条件を入力してルールを作成します。次に「管理」→「データの収集と修正」→「データフィルタ」を開き、「Internal Traffic」フィルタのステータスを「テスト」から「有効」に変更します。
フィルタを有効にする前に、まず「テスト」状態でリアルタイムレポートの比較機能を使って、除外対象のトラフィックが正しく識別されているか確認することをおすすめします。確認が取れたらフィルタを「有効」に切り替えましょう。
GA4ではコンバージョン(現在の名称は「キーイベント」)を設定することで、サイトの成果指標を定量的に追跡できます。コンバージョンとして設定する代表的なイベントとしては、フォーム送信完了、商品購入完了(purchase)、会員登録完了(sign_up)、電話ボタンのタップ、資料ダウンロードなどがあります。
設定方法は、まず計測したいユーザー行動に対応するイベントを用意します。自動収集イベントや拡張計測機能イベントで対応できる場合はそのまま使えますが、多くの場合はGTMでカスタムイベントを作成する必要があります。たとえば問い合わせ完了ページ(/contact/thanks)への到達を計測する場合、GTMで「ページビュー」トリガーにURLの条件を指定し、GA4イベントタグで任意のイベント名(例:generate_lead)を送信します。
イベントの計測が確認できたら、GA4の管理画面で「イベント」一覧から該当イベントの「キーイベントとしてマークを付ける」トグルをオンにします。これでコンバージョンの設定は完了です。設定後はDebugViewやリアルタイムレポートで、コンバージョンが正しく記録されているか必ず動作確認を行いましょう。
Google広告を運用している場合は、GA4との連携設定を早めに済ませておきましょう。連携することで、GA4のキーイベントデータをGoogle広告にインポートして入札最適化に活用したり、GA4で作成したオーディエンスセグメントをリマーケティングリストとして利用したりできます。
設定手順は、管理画面の「サービス間のリンク設定」→「Google広告のリンク」→「リンク」をクリックし、連携したいGoogle広告アカウントを選択して確認・送信するだけです。なお、リンク設定にはGA4の「編集者」以上の権限とGoogle広告の「管理者」権限が必要です。
GA4では無料版でもBigQueryへの生データエクスポートが可能です。BigQueryに接続しておくと、GA4のUIでは実現できない高度な分析をSQLで行えるほか、データ保持期間の制限なくデータを蓄積できます。データ分析やBI活用を本格的に行う予定がある場合は、初期段階で連携しておくことを強くおすすめします。連携設定前にデータが蓄積されることはないため、後から設定した場合は設定時点以降のデータしかエクスポートされません。
設定手順は、管理画面の「サービス間のリンク設定」→「BigQueryのリンク」→「リンク」をクリックします。Google Cloudプロジェクトを選択し、データのロケーション(日本の場合は「asia-northeast1(東京)」が推奨)、エクスポート頻度(毎日エクスポートまたはストリーミングエクスポート)を設定して送信します。ストリーミングエクスポートを選択するとリアルタイムに近いデータ連携が可能ですが、BigQueryの利用料金が発生する点に注意してください。まずは毎日エクスポートから始めるのがよいでしょう。
最後に、GA4の設定が完了しているか確認するためのチェックリストを整理します。Googleアナリティクスアカウントとプロパティを作成したか。データストリーム(ウェブ)を作成し、測定IDを取得したか。GTMまたはgtag.jsで計測タグをWebサイト全ページに設置したか。リアルタイムレポートまたはDebugViewで計測の動作確認を行ったか。拡張計測機能がオンになっているか。データ保持期間を14か月に変更したか。Googleシグナルを有効化したか。内部トラフィックの除外ルールを作成し、フィルタを有効にしたか。主要なコンバージョン(キーイベント)を設定したか。Google広告との連携を設定したか(広告運用している場合)。BigQueryとの連携を設定したか。これらの項目をすべてクリアしていれば、GA4の初期設定は万全です。
GA4の設定は、アカウント作成からデータストリームの設定、タグの設置、拡張計測機能やデータ保持期間の調整、内部トラフィックの除外、コンバージョン設定、そして外部サービスとの連携まで、多くのステップがあります。しかし、一つひとつの設定は難しくなく、本記事のステップに沿って進めれば初心者でも確実にGA4の計測環境を構築できます。初期設定の精度がその後のデータ品質を大きく左右するため、導入時に丁寧に設定を行い、データドリブンなサイト改善の第一歩を踏み出しましょう。

Looker Studio(旧Google Data Studio)でGA4レポートを作る方法をステップごとに解説。データソースの接続からグラフ・表の作成、テンプレート活用、共有方法まで、初心者にもわかりやすく紹介します。

Google Analytics 4(Googleアナリティクス4)の機能を網羅的に解説。イベント計測・探索レポート・予測機能・BigQuery連携など、GA4の主要機能と活用ポイントを初心者にもわかりやすく紹介します。

GA4とGTMの連携方法をステップごとに解説。Googleタグの設定手順、カスタムイベントの作り方、プレビューモードでの動作確認まで、初心者にもわかりやすく紹介します。