WordPressにGoogleアナリティクスを設置する方法|プラグイン・手動設定を解説

WordPressサイトにGoogleアナリティクス(GA4)を設置する方法は複数あり、どれを選ぶかによって後々の運用のしやすさが大きく変わります。プラグインを使えば数分で完了しますが、その手軽さと引き換えに失うものもあります。
本記事では、WordPress環境における4つの設置手段を比較し、どのケースでどれを選ぶべきかの判断基準を示します。あわせて、WordPress特有の理由で計測がずれる典型的なトラブルと、その回避方法を解説します。GA4側のアカウント作成手順やタグマネージャーの基礎については本記事では扱いません。
WordPressでGA4を設置する手段は、大きく次の4つに分かれます。
結論から言えば、選択は「今後どこまで計測を広げるか」で決まります。ページビューが見られれば十分ならプラグイン、コンバージョンやクリックなどのイベント計測に踏み込む予定があるならGTMです。
次の条件に当てはまるかで判断してください。
迷った場合はGTMを推奨します。プラグインからGTMへの移行は後からでも可能ですが、その際に二重計測の設定ミスが起きやすく、移行の手間はGTMを最初から使う手間を上回ることが多いためです。
Site Kit by GoogleはGoogleが公式に提供するWordPressプラグインです。GA4に加えてSearch Console、PageSpeed Insights、AdSenseをWordPress管理画面に統合できます。
公式プラグインであるため信頼性が高く、Search Consoleの検索クエリとGA4の指標を同じ画面で確認できる点が利点です。テーマファイルを編集する必要がないため、テーマ更新でタグが消える心配もありません。
一方、管理画面に表示されるレポートは概要レベルにとどまります。深い分析をしたい場合は結局GA4の管理画面を開くことになるため、「WordPress上でどこまで見られるか」を過度に期待しない方がよいでしょう。
Site Kitには「Googleアナリティクスのコードを挿入する」という設定があり、初期状態では有効になっています。この状態でGTM経由のGA4タグも設置していると、同じページビューが2回送信され、数値が約2倍になります。
Site Kit側は「既存のタグがページに見つかりました」という警告を表示しますが、この警告が見落とされて二重計測に気づかないケースは少なくありません。
GTMを併用する場合は、次の手順でSite Kit側のコード挿入を停止してください。
設定変更後は、GA4のリアルタイムレポートを開いて自分自身のアクセスが1回だけカウントされているかを確認します。ブラウザの開発者ツールでgtag.jsの読み込み回数を見る方法も有効です。
MonsterInsightsやExactMetricsといった専用プラグインは、GA4の設置に加えてWordPress管理画面上に詳細なレポートを表示します。eコマースの購買データやフォーム送信の計測など、追加機能を持つものもあります。
Site Kitより管理画面上のレポートは充実しますが、主要な機能は有料版に含まれることが一般的です。無料版で使える範囲を事前に確認してください。
こちらもGTMやテーマ側のタグと重複しないよう注意が必要です。プラグインを複数入れた結果、それぞれがGA4タグを出力して三重計測になっているケースも実際に発生します。
プラグインを増やしたくない場合、テーマ側でタグを出力する方法があります。ただし、この方法には明確なリスクがあります。
多くの国産テーマには、測定IDまたはヘッダー用タグを入力する専用の設定欄が用意されています。テーマの設定画面から「G-」で始まるGA4の測定IDを入力するだけで設置が完了します。
古いテーマでは「UA-」で始まる旧ユニバーサルアナリティクスのIDを入力する欄が残っている場合がありますが、現在はGA4の測定IDのみで問題ありません。UA用の欄しかない場合、そのテーマはGA4に対応していない可能性が高いため、別の方法を選んでください。
テーマファイルを編集する場合、必ず子テーマで行ってください。親テーマを直接編集すると、テーマの更新時に編集内容が上書きされ、タグが消えます。計測が止まっていることに気づかないまま数週間経過する、というのはよくある失敗です。
また、テーマを変更した時点でタグも消えます。サイトリニューアルの際にGA4の設置を忘れ、データが途切れるケースが多いのはこのパターンです。
以上の理由から、テーマへの直接設置は「プラグインを一切増やせない事情がある」場合を除いて推奨しません。
GTMを使う方法は、初期設定の手間はかかりますが、中長期的には最も管理しやすい選択肢です。
GTMのコンテナスニペットをWordPressに設置し、GTM側でGA4設定タグを作成する形になります。GTMのスニペット自体はSite Kitやテーマの設定欄、専用プラグインなど、いずれの方法でも設置できます。
WordPressサイトで広告運用やコンバージョン計測を行う予定があるなら、最初からGTMで構築しておくことで後の作業が大幅に楽になります。
設置作業そのものが正しくても、WordPress環境では以下の理由で計測がずれることがあります。
WP Super CacheやW3 Total Cacheなどのキャッシュプラグインを使用している場合、タグを設置した直後にキャッシュされた古いHTMLが配信され、計測が始まらないことがあります。
タグ設置後は必ずキャッシュをクリアしてください。それでも計測されない場合は、キャッシュプラグインの設定でJavaScriptの最適化や結合が有効になっていないかを確認します。これらの機能がタグの動作を妨げる場合、対象から除外する設定が必要です。
サイト運営者自身のアクセスが計測に含まれると、特にアクセス数の少ない立ち上げ期には数値が大きく歪みます。GA4側で内部トラフィックを定義して除外するのが基本的な対処です。
GA4の管理画面から「データストリーム」→対象のストリーム→「タグ設定を行う」→「内部トラフィックの定義」と進み、除外したいIPアドレスを登録します。
なお、この方法は固定IPが前提です。自宅やモバイル回線など可変IPの環境では機能しないため、GTMのカスタム変数やCookieを使った除外方法を検討する必要があります。
設置方法によっては、WordPressの管理画面や投稿のプレビュー画面まで計測対象になります。実際のユーザー行動ではないため、記事の編集作業がページビューとして積み上がってしまいます。
多くのプラグインには管理者のアクセスを計測対象から外すオプションがあるため、設置後に確認してください。テーマに直接記述する場合は、条件分岐で管理画面を除外する処理が必要になります。
設置作業が完了したら、次の3点を確認します。
3点目は見落とされがちです。テーマの構造によっては特定のテンプレートにだけタグが出力されず、一部のページが計測対象から漏れることがあります。
WordPressへのGA4設置は、手段そのものよりも「今後の計測範囲」を見据えて選ぶことが重要です。アクセス数の把握が目的ならプラグインで十分ですが、コンバージョン計測や広告運用を行う予定があるなら、初期の手間を惜しまずGTMで構築することを推奨します。
テーマへの直接設置は、更新やテーマ変更でタグが消えるリスクがあるため、特別な事情がない限り避けるべきです。
そして設置方法にかかわらず、二重計測とキャッシュの影響、内部トラフィックの除外という3点は必ず確認してください。この確認を省いたまま運用を始めると、蓄積されたデータ自体が信頼できないものになり、後から遡って修正することはできません。