はじめての予実管理|初月の締め作業と差異分析5ステップ

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カテゴリ: マーケティング予算・KPI
著者: 与謝秀作
初めて予実管理を担当する月は、収集、照合、差異計算、原因確認、行動決定の5つに分けて進めます。数字を早く埋めることより、対象月と費用の根拠をそろえ、未確定を区別することが重要です。
最初に承認済みの予算表、対象月の費用資料、担当一覧を集めます。計上月、税込・税抜、通貨、未請求費用の扱いは管理・財務担当と確認します。以下は税抜の架空例です。
ステップ1:対象月の資料を集める
媒体の利用明細、請求書、発注・契約、納品・検収、社内配賦の根拠を集めます。請求書がまだ来ていない項目は、空欄や未確定として一覧に残します。支払日だけで対象月を決めないようにしてください。
収集項目 | 確認する情報 |
|---|---|
予算 | 承認版、対象月、費目、施策ID |
費用 | 金額、税、通貨、利用・納品・計上の月 |
根拠 | 契約、請求、利用明細、検収記録 |
未確定 | 不足資料、見込み額、確定予定、担当 |
ステップ2:重複と計上月を照合する
例では、制作費は請求書16万円に加え、納品・検収済みで未請求の4万円があります。契約と検収を照合し、財務確認後に当月20万円として計上する方針とします。方針が異なる場合はそのルールに従い、未確定額と区別します。
ツール費は同じ5万円の請求書を2回取り込んでいました。請求番号や契約・対象月を照合して重複を修正します。修正前10万円と修正後5万円の履歴を残し、元資料を消してつじつまを合わせないことが大切です。
ステップ3:差異を計算する
費目 | 予算 | 確認後の実績 | 実績−予算 | 消化率 |
|---|---|---|---|---|
広告 | 300,000円 | 330,000円 | +30,000円 | 110% |
制作 | 200,000円 | 200,000円 | 0円 | 100% |
ツール | 50,000円 | 50,000円 | 0円 | 100% |
イベント | 0円 | 20,000円 | +20,000円 | 算出不可 |
合計 | 550,000円 | 600,000円 | +50,000円 | 約109.1% |
費用差異=実績−予算、消化率=実績÷予算です。予算ゼロのイベントは割り算できないため「算出不可」とします。イベントの未計画支出は、金額と承認状況で確認します。合計の消化率は60万÷55万で計算し、各行の率を平均しません。
ステップ4:原因を担当者へ確認する
広告の+3万円は、単価上昇か配信量の増加か、予算変更の反映漏れかを確認します。結果だけから「無駄遣い」と判断しません。イベント2万円も、必要な追加施策なのか、前月に属する費用なのか、事前承認があったかを確認します。
確認する問い | 記録する回答 |
|---|---|
元の予定と何が変わったか | 数量、単価、時期、範囲 |
根拠はどこにあるか | 明細、契約、承認、担当者確認 |
成果にどんな影響があったか | 有効問い合わせ、納品、品質など |
翌月以降にも続くか | 一時的か継続的か、見込み額 |
ステップ5:行動・担当・期限を決める
項目 | 次の行動の例 | 担当・期限 |
|---|---|---|
広告+3万円 | 配信量と成果を確認し、翌月上限を再審査 | 広告担当/翌週会議 |
イベント+2万円 | 対象月と承認を確認し、見込みに反映 | 施策責任者/3営業日後 |
ツールの重複 | 請求番号の照合手順を追加 | 管理担当/次回締め前 |
未請求制作4万円 | 請求到着後に計上済み額と照合 | 制作担当/請求到着時 |
期限は設計例です。自社の稼働と締めに合わせて決めてください。未請求費用が後日請求されたとき、すでに計上した4万円を新たな費用として再計上しないよう照合します。
初月に起きやすい失敗
未確定をゼロで埋める、支払月と費用対象月を混ぜる、代理店請求と媒体利用額を二重に足す、承認予算を実績に合わせて上書きする、といった失敗があります。原予算を保全し、暫定版と確定版、修正理由を分けます。
最初の月の完了条件は、すべての数字に根拠または未確定の理由があり、大きな差異に次の行動が付いていることです。継続運用の責任分担やツールの選び方は予実管理の運用ガイドで整理しています。
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