離脱率とは?直帰率との違いとGA4の離脱数・探索の見方

離脱率は、ページが閲覧経路の終わりになった割合を考える指標です。ただし旧Universal Analytics(UA)の「%Exit」と、GA4の離脱数・直帰率は同じ定義ではありません。どの製品の、どの分母の数字なのかをそろえると、記事を読み終えた離脱と、申し込み途中の停止を分けて検討できます。
離脱率の考え方と、旧UAの計算式
旧UAの%Exitは、そのページの全ページビューのうち、セッション最後のページビューとなった割合です。計算は「そのページの離脱数÷そのページのページビュー数×100」。入口となった回数を分母にする計算ではありません。これはUAの旧公式説明に基づく歴史的な定義です。
たとえばBページが20回表示され、そのうち5回がセッションの最後なら25%です。同じページが一つのセッションで再表示されることもあるため、「そのページに来た人数の25%」とは言い換えられません。GA4で離脱数と表示数から独自の割合を作る場合も、定義と集計範囲を記録し、UAの標準指標がそのまま再現されたとは扱わないようにします。
直帰率の定義はUAとGA4で異なる
指標 | 定義・分母 | 比較時の注意 |
|---|---|---|
UA %Exit(旧) | ページの離脱数÷ページビュー数 | 入口や人数を分母にしない |
UA直帰率(旧) | 入口から追加インタラクションがないセッションの割合 | 1ページ閲覧でも追加計測の条件を確認 |
GA4 Exits | セッション最後のイベントが起きたページ・画面の回数 | ブラウザを閉じた瞬間を直接計測する指標ではない |
GA4直帰率 | 非エンゲージドセッション数÷全セッション数 | ページ表示数だけでは判定できない |
GA4エンゲージメント率 | エンゲージドセッション数÷全セッション数 | 同じ条件なら直帰率との合計は100% |
UAの直帰は、単に1ページしか見ていないという説明だけでは不十分です。旧UAの直帰率の説明にあるように、追加のインタラクションがない条件を含めて読みます。一方、GA4の直帰率は非エンゲージドセッションの割合です。既定の説明では、10秒超の継続、対象となるキーイベント、2回以上のページ・画面表示のいずれかを満たすとエンゲージドになります。
Webのエンゲージメント判定タイマーは変更可能です。期間比較では設定もそろえてください。first_visit、first_open、session_startはキーイベントとして指定してもエンゲージド判定には使われません。単一ページでも計測された時間が条件を満たせば非直帰であり、読了したか、満足したかはこの判定だけではわかりません。
GA4のEntrances・Exitsを探索で確認する
GA4のEntrancesはセッション最初のイベント、Exitsは最後のイベントが起きたページ・画面の回数です。両方とも探索で利用でき、これらのためだけに追加の収集設定をする必要はありません。Google公式の離脱数・入口数の説明では、Page title and screen classを使った自由形式の例が示されています。
- 対象プロパティと期間を確認し、探索から自由形式を用意する。
- 次元にPage title and screen class、指標にEntrancesとExitsを追加し、ページ別に表示する。
- 同じタイトルの別ページが混在しないか調べる。ホストやページの識別が必要なら、対応する次元・絞り込みを確認して条件を記録する。
- 対象ページの役割、次の行動、成功の確認結果と合わせて読み、離脱数だけで良否を決めない。
入口と離脱が別の日に発生すると、指定期間のセッション数・入口数・離脱数は一致しない場合があります。ページや画面の表示を伴わない開始もあるため、Entrancesをセッション数と無条件で同一視しません。また探索はイベント単位データの保持の影響を受けます。表示できない過去期間をゼロとして埋めず、取得可能な範囲を残します。
架空の閲覧経路で離脱数と割合を計算する
以下は実サイトの実績ではなく架空例です。4セッションが同じ集計期間内で完了し、すべての対象イベントを重複・欠落なく受信したと仮定します。最後のイベントのページは経路の末尾と一致し、Webの時間条件は既定10秒です。S2の30秒は、タブを開いたままの時間ではなく、計測が受信された条件として置いています。
セッション | ページの経路 | GA4のエンゲージド判定 |
|---|---|---|
S1 | A→B | 2ページ表示なので該当 |
S2 | Aのみ・計測済み30秒 | 既定の時間条件を満たすため該当 |
S3 | B→C | 2ページ表示なので該当 |
S4 | Aのみ・5秒・キーイベントなし | いずれの条件も満たさず非該当 |
ページ | 表示数 | 入口数 | 離脱数 | 独自に定義した離脱数÷表示数 |
|---|---|---|---|---|
A | 3 | 3 | 2 | 2÷3×100=約66.7% |
B | 2 | 1 | 1 | 1÷2×100=50% |
C | 1 | 0 | 1 | 1÷1×100=100% |
エンゲージドはS1・S2・S3の3セッションで、3÷4×100=75%。非エンゲージドはS4の1セッションで、直帰率は1÷4×100=25%です。Aの独自比率66.7%とは分母も意味も異なります。S2が単一ページなのに直帰ではない点を確認してください。このGA4の例からUAの直帰率を推定することはできません。
完了・外部遷移・途中停止をページの目的で見分ける
Cの独自比率が100%でも、Cが申し込みの完了ページなら自然な経路の終わりかもしれません。反対に、確認画面から外部の認証へ移動して戻る経路では、測定範囲の切れ目が離脱に見える場合もあります。原因を探す前に、利用者が次に何をする設計なのかを整理します。
観察した状態 | 考えられる説明 | 追加で確認する証拠 |
|---|---|---|
完了ページで終わる | 必要な操作を終えた可能性 | 受理結果と、その後に必要な操作の有無 |
認証・別ドメインへ移る | 計測対象が変わった可能性 | 遷移先、タグ範囲、戻り経路 |
フォーム途中で終わる | 入力エラーや条件の不明確さ等 | 実際の再現操作、エラー表示、受理記録 |
記事の途中で終わる | 回答を得た、意図と違った等 | 検索意図、次の行動、対象端末の画面 |
ヒートマップやセッション記録は調査の手掛かりです。ヒートマップのクリック・スクロールや、セッション記録で再現された操作から、読了や離脱理由を直接証明することはできません。観察した行動と、そこから立てた仮説を分けて記録します。
計測の確認から改善仮説・検証へ進む
- 一つのページの目的と、期待する次の行動を定める。
- タグの欠落・重複、同意、対象ホスト、外部遷移を確認する。
- 期間・端末・流入条件をそろえて離脱数と表示数を見直す。
- 具体的な操作やエラーを確認し、改善仮説を一つ選ぶ。
- 変更後は同じ条件で実数と検証済みの成功を確認する。
離脱率を下げること自体をすべてのページの目標にはしません。回答を簡潔にした結果、滞在が短くなっても目的を達成している可能性があります。少数データでは一件の差が割合を大きく動かすため、件数と対象範囲を併記してください。成功イベントの条件や重複が未確認なら、件数を登録人数へ読み替えず、成果は未測定として扱います。公式仕様の確認日は2026年10月11日です。
次の確認に役立つ関連記事:




