マーケティング予算の立て方|3つの算出方法とシナリオ比較

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カテゴリ: マーケティング予算・KPI
著者: 与謝秀作
マーケティング予算は、売上比率だけで決めず、目標に必要な活動量と実行費用を照合して立てます。売上比率法は規模感、目標逆算法は必要量、施策積み上げは実行可能性を確認するために使えます。
同じ企業で3つの方法を比較すると、目標が予算に対して大きすぎないか、獲得費用だけで制作・運用を忘れていないかが分かります。以下の金額・率はすべて架空の仮定で、相場や推奨配分ではありません。
最初に売上と費用の範囲を決める
例の企業は年間売上計画5億円のうち、新規受注売上1億円を今回の対象とします。残りの既存顧客売上は、更新・継続の別計画で管理します。受注と売上計上が違う時期になる場合も分けます。
費用は媒体費、制作費、イベント等の活動費、ツール、社内・外注の運用工数を確認します。税、通貨、年間と月次、計上と支払のどれを使うかもそろえます。
方法1:売上比率で規模感を確認する
年間売上5億円に仮に3%を掛けると、予算枠は1,500万円です。この3%は説明用の数字であり、適切な予算比率を示しているわけではありません。粗利益、成長段階、既存顧客比率、営業体制が違えば必要額も変わります。
前年との連続性や資金面を確認しやすい一方、新規市場への投資や成果に必要な活動量を説明しにくい方法です。比率で出した枠を、次の2つの方法で検証します。
方法2:目標から必要件数を逆算する
項目 | 架空の前提・計算 | 必要数・金額 |
|---|---|---|
新規受注 | 1億円÷平均200万円 | 50件 |
商談 | 50件÷受注率20% | 250件 |
有効リード | 250件÷商談化率25% | 1,000件 |
獲得活動費 | 1,000件×8,000円 | 800万円 |
制作 | 見積もりを積み上げる | 120万円 |
ツール | 契約条件を積み上げる | 60万円 |
社内運用・分析 | 対象工数を配賦する | 120万円 |
合計 | 上記費用 | 1,100万円 |
有効リードは対象企業・関心などの条件を満たし、重複と既存顧客を除いた接点とします。獲得単価の分母もそろえてください。獲得活動費に制作や運用が含まれている場合は、別行で二重に足しません。
また、1,000件が対象年度の受注へ進むだけの時間と営業能力が必要です。年度末の獲得や長期案件は、翌期への持ち越しを含めて計画します。
方法3:実行する施策から積み上げる
活動 | 想定する有効リード | 活動費の仮定 |
|---|---|---|
広告媒体 | 400件 | 480万円 |
イベント | 400件 | 200万円 |
パートナー施策 | 200件 | 120万円 |
獲得活動の合計 | 1,000件 | 800万円 |
共通の制作・ツール・運用 | 上の活動を支える費用 | 300万円 |
総額 | 1,100万円 |
各活動の件数は独立した新規有効リードという仮定です。実運用では同じ企業・担当者が複数の施策に参加するため、重複後の総数を見積もります。本数、開催日、担当者、制作能力まで落とし込み、金額上は足りても実行できない計画を避けます。
3つの結果と下振れを比較する
売上比率による1,500万円と、逆算・積み上げによる1,100万円に差があっても、余った400万円を使い切る必要はありません。追加投資の目的と、試す価値のある仮説があるかで判断します。
シナリオ | 有効リード | 商談化率 | 受注率 | 受注件数 | 受注売上 |
|---|---|---|---|---|---|
標準 | 1,000 | 25% | 20% | 50 | 1億円 |
下振れ | 800 | 20% | 15% | 24 | 4,800万円 |
獲得量が増えた場合 | 1,200 | 25% | 20% | 60 | 1億2,000万円 |
平均受注額は全行200万円です。獲得量を増やす案では追加費用と営業の余力を再計算します。費用固定のまま数量だけが増える保証はありません。
配分と見直し条件を決める
短期の需要獲得、比較・育成コンテンツ、既存顧客の継続では成果が出る時間が違います。すべてを同じ月のCPAだけで比較せず、目的別の主指標と評価期間を置きます。予備費の率も一律に設定せず、確認できているリスクと代替案の費用から考えます。
承認前には、各費用の根拠、担当、成果の定義、重複、社内工数、下振れ対応を確認します。承認後は原予算を残して最新見込みを更新し、追加・停止・再配分の判断を記録してください。
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