マーケティング予算管理表テンプレート|月次・四半期・年間の記入例

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カテゴリ: マーケティング予算・KPI
著者: 与謝秀作
マーケティング予算管理表は、「何にいくら使う予定か」「いくら使ったか」「どの成果につながったか」を同じ期間で確認する表です。費用の消化率だけでは投資の良し悪しは判断できません。予算・実績の比較と成果指標を分けて記録しましょう。
この記事では、月次明細・四半期集計・広告KPIの3シートを含むExcelファイルと、使い方を紹介します。数値はすべて架空の記入例です。
Excelテンプレートをダウンロード
マクロは使っていません。黄色背景・青字が入力欄、その他は見出しや計算欄です。まずコピーを作り、架空の予算と実績を自社の数値に置き換えてください。未確定の実績は空欄のまま残し、確定した支出ゼロには「0」を入力します。
シート | 入力・確認すること | 集計のルール |
|---|---|---|
月次明細 | 12か月×6カテゴリの予算・実績・差異理由 | 実績−予算、実績÷予算を計算 |
四半期集計 | 全期間予算、完了月数、完了月の予実 | 予算と実績が6カテゴリすべて入力された月を比較 |
KPI | 表示、クリック、CV、帰属売上、CV目標 | 入力がそろった月の合計からCTR・CVR・CPA・ROASを計算 |
最初にそろえる4つの条件
対象年度、通貨と税込・税抜、費用を計上する月、費目の分類を決めます。広告媒体の利用額と請求書の引落額を混在させると、時期や税の違いが成果の差に見えてしまいます。
本テンプレートの初期設定は2026年4月開始、JPY・税抜です。「月次明細」の開始年・開始月は、金額を入力する前に変更してください。月と四半期の区切りは連動しますが、既に入力した金額そのものは移動しません。途中で年度を変える場合は新しいコピーを用意します。
6カテゴリは広告媒体費、コンテンツ制作、ツール、イベント、人件費・外注、その他です。制作を外部へ依頼した請求書は、制作費か外注費のどちらか一方に計上します。部門横断の費用には配賦基準も残してください。
月次の記入例と差異の読み方
架空の4月では、広告予算30万円に対し実績27万円です。差異は27万−30万=−3万円、消化率は27万÷30万=90%です。ただし、3万円の未消化が節約か、配信不足か、翌月への請求ずれかは、この数字だけでは分かりません。
費目 | 予算 | 実績 | 差異 | 記録する確認事項 |
|---|---|---|---|---|
広告媒体費 | 300,000円 | 270,000円 | −30,000円 | 配信量と有効CV、未請求額 |
コンテンツ制作 | 100,000円 | 100,000円 | 0円 | 納品・検収の完了 |
ツール | 50,000円 | 50,000円 | 0円 | 契約期間と利用人数 |
人件費・外注 | 150,000円 | 150,000円 | 0円 | 対象工数と制作費との重複 |
イベントとその他も、当月の支出がないことを確認して0を入力します。未入力のカテゴリがある月は四半期集計に確定実績として入りません。「空欄を埋めるための0」は入力しないでください。
四半期・年間は同じ期間で比較する
4月と5月が確定し、6月が未確定なら、Q1の全期間予算180万円とは別に、完了2か月の予算120万円と実績120万円を比較します。Q1全体の実績が確定したわけではありません。年度予算720万円に対して実績120万円だから低調、といった判断も避けます。
消化率は費用の進捗です。CVの達成率や粗利益、回収期間とは別に評価します。余った予算を使い切るための再配分ではなく、成果の見込みと実行能力を確認して変更案を作ります。承認済みの原予算は保全し、変更する場合は版と承認理由を残しましょう。
年間CVRやCPAを単純平均しない
テンプレートのKPI例では、4月は1,000クリック・40CVでCVR4%、5月は9,000クリック・180CVでCVR2%です。2か月のCVRは、220÷10,000=2.2%。4%と2%を平均した3%ではありません。
指標 | 集計式 | 記入例の2か月合計 |
|---|---|---|
CTR | クリック合計÷表示合計 | 10,000÷1,000,000=1% |
CVR | CV合計÷クリック合計 | 220÷10,000=2.2% |
CPA | 広告費合計÷CV合計 | 600,000÷220=約2,727円 |
ROAS | 帰属売上合計÷広告費合計 | 2,200,000÷600,000=約366.7% |
CV達成率 | CV合計÷同期間のCV目標合計 | 220÷200=110% |
同じ媒体・成果定義・帰属期間のデータを使い、複数媒体が同じ成果を計上した場合は重複を整理します。CVは問い合わせ件数や購入件数であり、必ずしも新規顧客数ではありません。ROASも利益を表すROIとは異なります。
分母ゼロの率は空欄にします。「0%」と「計算できない」を区別するためです。KPIはB〜F列と対応する広告費がそろった月だけを年間集計に含めます。まだ成果が確定していない月は、目標と結果を無理に埋めないようにします。
費目追加と月次レビューのチェックリスト
既存カテゴリ内の明細は別の根拠台帳で管理し、テンプレートにはカテゴリ合計を転記できます。カテゴリ自体を追加する場合は、全12か月の行数、四半期の入力件数条件・合計範囲、KPI広告費の参照行を更新し、既知の数値で再計算を確認してください。行追加だけで集計が自動拡張する設計ではありません。
- 請求・利用・検収のどの日付で計上したかが統一されているか。
- 未確定費用をゼロにしていないか。確定ゼロと空欄を区別したか。
- 同じ費用を媒体費と代理店請求、制作費と外注費に重複計上していないか。
- 率の分母・分子、成果の帰属期間、通貨をそろえたか。
- 大きな差異に原因、次の行動、担当者、期限を記入したか。
入力担当と確認担当、締め日を決め、最初の1か月は請求書や元データと照合します。Excelで運用できる範囲は維持し、権限・版管理・集計作業が負担になった段階で管理方法を見直しましょう。
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