退職届と退職願の違い|文面例・提出方法・撤回時の注意点

退職願は会社との合意による退職を申し込む際、退職届は退職する意思を伝える際によく使われる名称です。ただし、法律上の扱いは表題だけでは決まりません。本文、提出までの経緯、会社への到達や承諾などを合わせて考える必要があります。
まず「相談」「合意の申込み」「退職の意思表示」を分ける
段階 | 伝える内容 | 確認すること |
|---|---|---|
まだ検討中 | 退職を含めて働き方を相談したい | 確定した意思と誤解されないか |
合意を求める | この日付での退職を認めてほしい | 誰が承諾する権限を持つか |
退職の意思を伝える | この日をもって退職する | 契約の種類と必要な期間、相手への到達 |
「願を出してから必ず届も出す」という全国共通の手順はありません。勤務先の書式・提出先を確認しつつ、何を伝える書面なのかを曖昧にしないことが大切です。会社から退職を勧められている場合は、自分から希望した退職と同じ文例をそのまま使わないでください。
文面例:日付と意思を明確にする
以下は説明用の架空例です。退職日や宛名は、自分の契約・実際の合意内容に合わせて変更します。
合意による退職を申し込む例
退職願
私儀、このたび一身上の都合により、2026年11月30日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます。
2026年10月20日
営業部 山田 太郎
株式会社〇〇 代表取締役〇〇様
退職の意思を伝える例
退職届
私儀、このたび一身上の都合により、2026年11月30日をもって退職いたします。
2026年10月20日
営業部 山田 太郎
株式会社〇〇 代表取締役〇〇様
上の例の10月20日は書面の日付、11月30日は雇用を終える日です。有給休暇に入る前の最終出勤日と混同しないでください。「一身上の都合」も事実に合う場合だけ使います。
提出までの手順
- 雇用契約書で期間の定めの有無を確認する。就業規則の窓口・書式・引継ぎ手順も読む。
- 退職希望日、最終出勤日、有給休暇の希望を分けて整理する。
- 必要な相手に意思を伝え、書面の提出先と受領の確認方法を決める。上司に相談しにくい事情があれば人事や外部の労働相談窓口を使う。
- 提出した文面、提出日、受領を確認できる記録を手元に残す。会社や顧客の機密資料を持ち出すこととは分ける。
厚生労働省は、期間の定めのない契約について原則2週間前の申入れを説明しています。有期契約の途中退職は同じ扱いとは限らず、例外もあります。「誰でも出した翌日から行かなくてよい」「会社が許可するまで絶対に辞められない」と一律には判断せず、契約と事情を確認してください。
撤回したくなったとき
退職願ならいつでも撤回でき、退職届なら一切撤回できない、という分類は正確ではありません。合意の申込みか、一方的な退職の意思表示か、会社が既に承諾したかなどが関係します。すぐに撤回したい旨を明確に伝え、同意の有無を書面で確認しましょう。争いがある場合は提出済みの文面とやり取りを持って労働相談窓口や弁護士へ相談します。
提出前チェック
- 宛名・所属・氏名・書面の日付に誤りがない。
- 退職日と最終出勤日が区別されている。
- まだ相談段階なのに、確定した退職意思の文面になっていない。
- 会社都合や退職勧奨の経緯を、自己都合の定型文で置き換えていない。
- 封筒の体裁だけでなく、誰にどう届くかを確認している。




