退職証明書とは?離職票との違い・記載事項・発行を依頼する方法

退職証明書は、退職した人が請求したときに会社が発行する義務を負う書類です。ハローワークが発行に関与する離職票とは別物で、発行元も用途も違います。
この記事では、退職証明書が必要になる場面と、発行を依頼する具体的な方法を整理します。
会社に発行義務がある
労働基準法は、退職した人から請求があった場合、会社は遅滞なく証明書を交付しなければならないと定めています。つまり発行するかどうかは会社の裁量ではなく、請求されたら応じる義務があります。退職から時間が経っていても、一定期間内であれば請求できます。
離職票との違い
混同されがちですが、役割がまったく違います。
- 退職証明書:会社が直接発行します。在職していた事実を証明するためのもので、決まった様式はありません。
- 離職票:会社がハローワークに手続きし、発行されたものを本人が受け取ります。失業給付の申請に使います。
つまり、失業給付をもらうなら離職票、それ以外の場面で退職を証明するなら退職証明書と覚えてください。離職票の発行タイミングや届かない場合の対処は離職票とは?発行タイミング・退職証明書との違いで解説しています。
どんな場面で必要になるか
- 転職先から提出を求められた:在職期間や退職の事実を確認する目的です。前職を正式に辞めているかを見るケースが多いです。
- 国民健康保険・国民年金の切替え:離職票が間に合わないとき、退職日を証明する書類として使えることがあります。
- 保育園の在園要件の確認:就労状況の変化を自治体に届け出る際に求められることがあります。
- 住宅ローンなどの審査:前職の勤務実績を示す資料として求められることがあります。
記載される項目と、書いてはいけないこと
記載できるのは、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の事由(解雇の場合はその理由)の5項目です。ここで重要なのは、本人が請求していない項目を会社が勝手に書くことはできないという点です。
つまり、退職理由を書かれたくなければ、在職期間と業務内容だけを指定して請求できます。転職先に提出する場合、必要な項目だけに絞ったほうが安全です。
記載が禁じられていること
退職した人の再就職を妨げることを目的とした記載は禁止されています。具体的には、国籍、信条、社会的身分、労働組合活動に関する事項を書くことはできません。受け取った書類にこうした記載があれば、削除を求められます。
発行を依頼する方法
- 前職の人事部門に連絡し、退職証明書が必要な旨を伝える
- 必要な記載項目と、提出期限を具体的に伝える
- 受け取ったら、記載内容と会社印の有無を確認する
退職時の関係が良くなかった場合でも、発行は法上の義務なので、メールなど記録に残る形で依頼してください。応じてもらえない場合は、労働基準監督署に相談することができます。
退職時に揃える書類の全体像は転職に必要な書類一覧|準備チェックリストで確認できます。
退職証明書に関するよくある質問
Q. 退職してから何年でも請求できますか?
請求できる期間には限りがあります。必要になる見込みがあるなら、退職直後にもらっておくのが確実です。時間が経つほど、会社側の担当者が変わって手間取りになります。
Q. 転職先に提出を求められましたが、退職理由を知られたくありません。
記載項目は本人が請求したものに限られるため、退職理由を除いて発行してもらうことができます。転職先が退職理由の記載を指定している場合は、何の確認のためかを先に聞いてみてください。
Q. 在職中にもらえますか?
退職証明書は退職後の書類です。在職中に在籍を証明したい場合は在職証明書になります。こちらは法上の発行義務があるものではなく、会社の対応次第です。
まとめ|必要な項目だけを指定して請求する
退職証明書は、請求すれば会社に発行義務が生じる書類です。失業給付に使う離職票とは別物で、転職先への提出や公的手続きで使います。記載されるのは本人が請求した項目だけなので、目的に応じて範囲を絞って依頼してください。
※本記事は一般的な法令の考え方を整理したものです。請求可能な期間や具体的な手続きについては、労働基準監督署や社会保険労務士等の専門家にご確認ください。




