スキマバイトの確定申告は必要?会社員・学生・掛け持ち別の判定ガイド

スキマバイトの確定申告が必要かどうかは、働いた日数やアプリの数だけでは決まりません。まず「受け取ったお金が給与か、業務委託の報酬か」を確認し、同じ年の収入を合計して判断します。
会社員の副業と、学生・専業で働く人では使える判定方法が異なります。この記事では、2026年分の所得税を中心に、確認する順序と具体例を整理します。所得税の申告が不要でも、住民税の手続きは別に確認してください。
最初に確認するのは「給与」か「報酬」か
雇用契約を結び、勤務先の指示で働いて受け取るお金は、通常は給与です。一方、雇用契約を結ばず業務を請け負う仕事では、通常は事業所得や雑所得として扱う報酬になります。サービス名だけで決めず、契約書や労働条件通知書、支払書類を確認しましょう。
- 給与:源泉徴収票の「支払金額」を確認します。振込額だけを見ると、源泉徴収された税金などを見落とします。
- 業務委託:売上と、業務に必要な経費を分けて記録します。申告で使う所得は、原則として売上から必要経費を引いた額です。
給与の仕事に使った交通費や作業用品代を、業務委託と同じ感覚で自由に差し引くことはできません。給与には給与所得控除などの別の仕組みがあります。
立場別に、どの条件を確認すればよい?
働き方 | 所得税の申告で確認する点 | 集める情報 |
|---|---|---|
本業の給与があり、スキマバイトも給与 | 年末調整されない給与の収入と、給与・退職以外の所得の合計 | 本業・副業それぞれの源泉徴収票 |
本業の給与があり、副業が業務委託 | 給与・退職以外の所得の合計 | 売上、経費、源泉徴収された報酬の記録 |
学生などで、主な収入がスキマバイトの給与 | 全勤務先の年間給与と控除を使った年間税額 | 同じ年の源泉徴収票をすべて |
給与がなく、主な収入が業務委託 | 所得と控除を使った年間税額 | 売上・経費の帳簿と控除資料 |
「副業は20万円以下なら何もしなくてよい」と、すべての人に当てはめるのは誤りです。20万円の基準は、一定の給与所得者に認められる所得税の申告省略の扱いであり、非課税の枠ではありません。
会社員が給与のスキマバイトをする場合
給与を2か所以上から受け、給与がすべて源泉徴収の対象となる場合は、原則として「年末調整されなかった給与の収入金額+給与・退職以外の所得」が20万円を超えると確定申告の対象になります。本業が年末調整済みでも、副業分まで精算されたとは限りません。
たとえば、本業の給与が年末調整済みで、スキマバイトの給与収入が年間24万円、ほかに所得がない場合は、この基準を超えます。スキマバイトの給与収入が年間15万円で、ほかに所得がない場合は、ほかの申告義務がなければ申告を省略できることがあります。
低い給与収入などには例外があります。給与収入の合計から所定の所得控除を引いた額が150万円以下で、給与・退職以外の所得も20万円以下なら、申告不要となる規定もあります。この控除には基礎控除・医療費控除などを含めない点に注意してください。給与が年間2,000万円を超える場合なども別判定です。詳細は国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できます。
学生・スキマバイト中心の人は、年間の給与を合計する
給与所得控除は勤務先ごとに別々に使うものではありません。複数の源泉徴収票があるときは、同じ年の支払金額を合計して計算します。
日本の居住者で、収入が給与だけの人について、2026年分・2027年分は、年間給与178万円以下なら、給与所得控除74万円と基礎控除104万円により、原則として所得税はかかりません。この改正は2026年12月1日施行で、2026年分から適用されます。2025年分の同様の目安は160万円でした。古い記事の「103万円」を、そのまま現在の本人の所得税の基準に使わないでください。
この金額は、本人の所得税を計算する際の目安です。住民税、親や配偶者の税法上の扶養、健康保険などの被扶養者の条件はそれぞれ異なります。また、業務委託の所得などがある人に178万円をそのまま当てはめることはできません。根拠は国税庁の基礎控除と給与所得控除です。
年間の所得税がかからない人でも、勤務時に所得税を引かれていると、還付申告で戻る場合があります。「申告義務があるか」と「申告すると還付を受けられるか」は分けて確認しましょう。
業務委託もある場合の計算例
本業の年末調整が済んだ会社員が、スキマバイトの給与を12万円、別の業務委託で売上15万円・必要経費5万円を得たとします。判定に使う額は、給与12万円+業務委託の所得10万円=22万円です。仕事ごとに20万円以下でも、合計すると基準を超えます。
これは計算の説明用の例です。前述の低収入の例外や、ほかの所得・申告義務も併せて確認してください。派遣の仕事と副業を組み合わせる場合は、派遣社員の副業と確定申告でも書類と計算の手順を解説しています。
住民税と還付申告で見落としやすいこと
所得税の20万円の申告省略は、住民税には同じ形で適用されません。ただし、給与の支払者が自治体へ給与支払報告書を提出し、それ以外の所得がない場合など、住民税の申告が不要なケースもあります。所得税を申告しない人は、居住地の自治体に収入の種類と金額を伝えて確認してください。横浜市の個人市民税・県民税の案内も参考になります。
医療費控除などで確定申告をするなら、申告省略の対象だった少額の副業所得も含めて申告します。詳しくは国税庁の申告不要制度に関する説明を確認してください。
申告前に準備するものと進め方
- 対象年の仕事を一覧にし、勤務先・契約相手・給与か報酬かを記録します。
- 給与の源泉徴収票を勤務先や利用サービスの案内に沿って取得します。取得できない場合は発行元に問い合わせます。
- 業務委託の売上、必要経費、源泉徴収された税額、控除に関する資料を整理します。
- 対象年に対応した国税庁「確定申告書等作成コーナー」で、すべての収入と控除を入力して確認します。
- 申告・納税が必要なら、その年分の受付期間と納付期限に従って手続きをします。所得税を申告しない場合は住民税の要否も確認します。
アプリの入金履歴だけに頼らず、年ごとの書類を保存しておくと、勤務先が増えても整理しやすくなります。まずは今年働いた先と契約の種類を一枚のメモにまとめるところから始めましょう。




