【完全ガイド】お試し転職とは?サービス比較と始め方を徹底解説

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カテゴリ: お試し転職

著者: 与謝秀作

おためし転職

「転職したいけど、入社してからミスマッチに気づくのが怖い」「実際の職場の雰囲気を知ってから転職を決めたい」——そんな悩みを抱える方が増えています。厚生労働省の調査によれば、転職後3年以内の離職率は約3割にのぼり、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースは決して珍しくありません。

こうした転職のミスマッチを解消する手段として注目されているのが「お試し転職」です。現職を辞めずに副業・業務委託の形で気になる企業の仕事を体験し、お互いの相性を確かめてから正式に転職する——この新しい転職スタイルが、20代後半〜30代前半の若手ビジネスパーソンを中心に広がりを見せています。

この記事では、お試し転職の仕組みやメリット・デメリット、主要サービスの比較、そして実際に始めるためのステップまでを網羅的に解説します。転職のリスクを最小限に抑えたい方は、ぜひ最後までお読みください。

お試し転職とは?基本の仕組みを理解しよう

お試し転職とは、転職を検討している人が現職を辞めずに、副業や業務委託の形で企業の実務を一定期間体験できる仕組みのことです。「おためし転職」「体験入社」「複業転職」などとも呼ばれ、転職前にリアルな職場環境や業務内容を知ることで、入社後のミスマッチを防ぐことを目的としています。

一般的な転職活動では、面接や企業説明会の限られた情報だけで入社を決断しなければなりません。しかしお試し転職では、実際に1日〜最大3か月程度、その企業で働くことができます。多くの場合、報酬が発生するため、副業としての収入を得ながら転職先を見極められるのが大きな特徴です。

お試し転職の体験期間中は、候補者と企業の双方が相性を確認できます。候補者は実際の業務内容、チームの雰囲気、企業文化を体感できますし、企業側も候補者のスキルや働きぶりを見極めることが可能です。この「双方向のマッチング」が、従来の転職活動との大きな違いです。

お試し転職と類似制度の違い

お試し転職と混同されやすい制度がいくつかあります。それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。

体験入社との違い

体験入社は、企業が選考プロセスの一環として候補者に1日〜数日間の職場体験を提供する制度です。企業主導で行われ、無給の場合もあります。一方、お試し転職は副業・業務委託として正式な契約のもとで行われ、期間も長く、報酬が発生するケースがほとんどです。

紹介予定派遣との違い

紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間を経て正社員として直接雇用されることを前提とした働き方です。派遣会社を介するため三者間の契約になる点と、現職を辞めて派遣社員として働く必要がある点がお試し転職と異なります。お試し転職では現職に在籍したまま体験できるため、リスクがより低いといえます。

トライアル雇用との違い

トライアル雇用は、厚生労働省が推進する制度で、原則3か月の試行雇用期間を設けて企業と求職者の適性を見極めるものです。企業には助成金が支給されますが、求職者は現職を辞めて試行雇用に入る必要があります。お試し転職のように「現職を続けながら試す」ことはできません。

お試し転職の5つのメリット

転職のミスマッチを事前に防げる

最大のメリットは、入社前に企業の実態を知ることができる点です。面接だけではわからない職場の雰囲気、上司や同僚の人柄、業務の進め方を体感できるため、「思っていた仕事と違った」というミスマッチを大幅に減らせます。実際に働いてみて「この会社は自分に合わない」と感じた場合は、現職にそのまま残るという選択ができます。

現職を辞めずにチャレンジできる

副業・業務委託の形で参加するため、現在の仕事を続けながら新しいキャリアを模索できます。収入が途絶える心配がなく、精神的にも経済的にもリスクの低い転職活動が可能です。特に、家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとっては、安心材料になるでしょう。

未経験の業界・職種を体験できる

大企業からベンチャー企業への転職、異業種への挑戦など、大きくキャリアチェンジしたい場合に特に有効です。「興味はあるけど、自分にできるかわからない」という不安を、実際の業務体験を通じて解消できます。副業として報酬を得ながら新しいスキルを習得できるため、キャリアの幅を広げるきっかけにもなります。

入社初日から即戦力になれる

お試し期間中に業務の進め方やチームメンバーとの関係を構築しておけば、正式に入社した日からスムーズに活躍できます。Anotherworks(複業クラウド)のCEOは「入社した日からすでに社内になじんでいるのは大きなメリット」と指摘しています。オンボーディングの負担が軽減される点は、企業にとってもプラスです。

企業との信頼関係を事前に構築できる

面接では限られた時間でしかコミュニケーションが取れませんが、お試し転職では数週間〜数か月にわたって一緒に働きます。その中で自然と信頼関係が生まれ、企業側から「ぜひ正社員として来てほしい」と声がかかるケースも少なくありません。

お試し転職のデメリット・注意点

時間と労力の負担が大きい

現職の業務に加えてお試し先での業務もこなす必要があるため、一時的に仕事量が増えます。平日の夜や土日を使うことが多く、ワークライフバランスの維持には工夫が求められます。体力的・精神的な負担を考慮し、無理のないスケジュールを組むことが重要です。

現職の副業規定を確認する必要がある

お試し転職は副業・業務委託の形態をとるため、現在の勤務先が副業を認めていることが前提です。副業禁止の企業に在籍している場合、就業規則に違反するリスクがあります。事前に自社の就業規則を確認し、必要であれば上司や人事部門に相談しておきましょう。

体験できる業務範囲が限定される場合がある

お試し期間中は、機密情報に触れるプロジェクトやコアな意思決定には関われないことがあります。そのため、企業の全体像や本質的な業務を十分に体験できない可能性もあります。体験期間中にどのような業務に携われるのか、事前にすり合わせておくことが大切です。

必ずしも採用されるとは限らない

お試し転職を経たからといって、100%採用されるわけではありません。通常の面接よりも深く評価されるため、場合によっては「スキルが足りない」「カルチャーフィットしない」と判断されることもあります。お試し転職は双方向の見極めの場であることを理解しておきましょう。

お試し転職ができる主要サービス比較

お試し転職を実現できるサービスは複数あります。ここでは主要なサービスの特徴を比較します。

仕事旅行社「おためし転職」

仕事旅行社が運営する「おためし転職」は、1日〜数日間の短期体験を通じて転職先を探せるサービスです。「仕事旅行」というユニークなコンセプトで、農業、伝統工芸、IT、デザインなど多様な業種の体験プログラムを提供しています。短期間で気軽に試せるため、まだ転職の方向性が定まっていない方の「きっかけ作り」に最適です。受け入れ先は中小企業やスタートアップが中心で、地方移住を視野に入れたプログラムも充実しています。

複業クラウド(Anotherworks)

複業クラウドは、複業(副業)マッチングプラットフォームとして国内最大級のサービスです。企業が複業人材を募集し、気になる案件に応募して業務委託契約で働くことができます。多くの企業が「正社員への採用も見据えて複業人材を募集したい」という意向を持っており、お試し転職の受け皿として機能しています。IT・Web系企業の案件が豊富で、エンジニア、デザイナー、マーケターなどの専門職に強みがあります。

Kasooku(カソーク)

Kasookuは副業・複業のマッチングサービスで、スタートアップやベンチャー企業の案件が豊富です。週1〜2日から参画できる案件が多く、本業と両立しやすいのが特徴です。営業、マーケティング、事業企画、人事など、ビジネス系職種の案件も充実しています。企業との直接契約となるため、仲介手数料がかからない点も魅力です。

Anycrew(エニィクルー)

Anycrewはフリーランス・副業向けのマッチングサービスです。エージェント型と直接マッチング型の2つの方式があり、自分に合った方法で案件を探せます。週1日〜の副業案件からフルタイムの業務委託まで幅広くカバーしています。IT・Web業界に特化しており、リモートワーク可能な案件が多いのも特徴です。

Re就活「ソーシャルインターン」

20代向け転職サイトRe就活が展開するソーシャルインターンは、社会人向けのインターンシッププログラムです。通常の転職活動では接点が持ちにくい企業の業務を短期間体験できます。20代でキャリアチェンジを考えている方に特化しており、未経験歓迎の体験プログラムが充実しています。

お試し転職の始め方5ステップ

ステップ1:現職の副業規定を確認する

まず最初に、現在の勤務先が副業を認めているかどうかを確認しましょう。就業規則の副業・兼業に関する条項をチェックし、不明点があれば人事部門に確認します。副業が認められている場合でも、「競合他社での副業は禁止」「事前届出が必要」などの条件が付いていることがあるため、詳細まで確認することが大切です。

ステップ2:自分のキャリアの方向性を整理する

「どんな業界で働きたいのか」「どんなスキルを活かしたいのか」「譲れない条件は何か」といった転職軸を明確にしておきましょう。お試し転職は通常の転職活動よりも時間がかかるため、方向性が定まっていないと非効率になりがちです。自己分析ツールやキャリアカウンセリングを活用するのもおすすめです。

ステップ3:サービスに登録して案件を探す

前述のサービスの中から、自分の希望に合ったプラットフォームに登録しましょう。複数のサービスに登録しておくと、出会える案件の幅が広がります。プロフィールには、自分のスキル・経験・希望条件を具体的に記載し、企業側に魅力が伝わるよう工夫しましょう。

ステップ4:お試し期間中は全力で取り組む

お試し期間は「お客様扱い」ではなく、実際の業務に取り組む場です。企業はあなたのスキルや仕事への姿勢をしっかり見ています。限られた時間の中で最大限の成果を出せるよう、積極的にコミュニケーションを取り、与えられたタスクに真剣に向き合いましょう。同時に、自分自身も「この企業で長く働けるか」を冷静に見極めることが大切です。

ステップ5:振り返りと意思決定

お試し期間が終了したら、体験を通じて感じたことを整理しましょう。「業務内容は自分に合っていたか」「チームの雰囲気は心地よかったか」「成長できる環境だったか」などの観点から振り返り、転職するかどうかを判断します。企業側からフィードバックをもらえることもあるので、客観的な評価も参考にしてください。

お試し転職を成功させるためのコツ

お試し転職を最大限に活用するために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

まず、体験先は1〜2社に絞ることをおすすめします。あまり多くの企業を同時に体験しようとすると、本業との両立が難しくなり、どの体験も中途半端になりかねません。日経新聞の報道でも、利用者は1〜2社のお試しで転職を決める例が多いとされています。

次に、体験前に確認すべきポイントを明確にしておきましょう。業務内容、報酬条件、稼働日数・時間、コミュニケーション方法、正社員採用の可能性など、曖昧なまま始めるとトラブルの原因になります。書面で条件を取り交わしておくと安心です。

また、体験中はその企業の「良い面」だけでなく「課題」にも目を向けましょう。どんな企業にも課題はあります。大切なのは、その課題が自分にとって許容できるものかどうかを冷静に判断することです。

最後に、体験で「転職しない」と決めた場合でも、それは大きな成果です。お試し転職を通じて現職の良さに気づき、転職活動をやめる人もいます。「合わないとわかった」こと自体が、リスクを回避できた成功体験といえるでしょう。

お試し転職に向いている人・向いていない人

お試し転職が向いているのは、転職に対して慎重なアプローチを取りたい方です。具体的には、異業種やベンチャー企業へのキャリアチェンジを考えている方、過去に転職でミスマッチを経験した方、転職したい気持ちはあるが踏み出せない方、副業を通じてスキルの幅を広げたい方に適しています。

一方、お試し転職が向いていないのは、すぐにでも転職したい方です。お試し転職は通常の転職活動よりも時間がかかるため、「来月には新しい職場で働きたい」というスピード感を求める場合には適しません。また、現職が多忙で副業に充てる時間が確保できない方や、現職が副業を禁止している方にも不向きです。

まとめ:お試し転職で後悔しない転職を実現しよう

お試し転職は、転職のミスマッチという長年の課題を解決する画期的な仕組みです。現職を続けながら新しい環境を体験でき、双方にとってリスクの低い転職を実現できます。

副業解禁やリモートワークの普及を背景に、お試し転職のサービスは年々拡大しています。「仕事旅行社」「複業クラウド」「Kasooku」など、さまざまなプラットフォームがあるため、自分のキャリアプランや希望条件に合ったサービスを選んでみてください。

まずは興味のあるサービスに登録し、どんな案件があるのかを眺めてみるところから始めましょう。「転職は大きなリスク」と感じていた方にとって、お試し転職は最初の一歩を踏み出すためのハードルを大きく下げてくれるはずです。自分に合った職場を、働きながらじっくり見つけていきましょう。

お試し転職とは?仕組み・サービス比較・始め方【2026年完全ガイド】