ビュースルーコンバージョンとは?媒体別の計測条件・期間と評価方法

ビュースルーコンバージョン(VTC)は、広告へのクリックなどの操作を伴わない表示の後に、媒体が定める期間・条件を満たして発生した成果を、その広告に関連付ける指標です。広告を見た人の購入を把握する手掛かりになりますが、「広告がなければ発生しなかった購入」を証明する数値ではありません。
運用では、クリック経由、表示経由、実際の注文数を分けて記録することが出発点です。計測期間を長くして件数が増えても、広告自体が改善したとは限りません。
クリック経由・動画視聴経由との違い
種類 | 広告との接点 | 読み取れること | 注意点 |
|---|---|---|---|
クリックスルー | 広告のクリック後に成果 | クリックと成果の関係 | クリックの定義・期間は媒体で異なる |
ビュースルー | 対象となる広告表示後に成果 | 表示と成果の関係 | 実際に注目したか、購入を増やしたかは別 |
動画の視聴・エンゲージメント経由 | 所定の視聴や操作後に成果 | 一定の接触後の成果 | 単なる表示と混ぜない |
例えば、広告表示→翌日の自然検索→購入という経路では、条件を満たす広告媒体がVTCを記録し、アクセス解析は自然検索の訪問として扱うことがあります。異なる問いに答える数値であり、どちらかが必ず誤りという意味ではありません。
媒体ごとに確認する条件と期間
以下はWebサイトの成果を読むための確認表です。アプリ計測や特定キャンペーンには別条件があるため、対象のコンバージョン設定を併せて確認してください。
媒体 | 期間・条件の確認点 | 確認する場所 |
|---|---|---|
Google広告 | VTCの初期期間は原則1日。対象アクションで変更可能。クリック等の操作との優先関係にも注意 | 「目標」→「コンバージョン」→「概要」から対象アクションの設定。レポートのVTC列も確認 |
LINEヤフー広告・ディスプレイ | 視認領域で広告の50%以上が1秒以上連続表示されたビューが対象。期間は24時間固定で変更不可 | パフォーマンスデータのビュースルーコンバージョン数。通常のコンバージョン数とは別に読む |
Meta広告 | ビュー、リンククリック、エンゲージメント経由の区分と、広告セットに表示される期間を確認 | 広告セットのアトリビューション設定と、広告マネージャの列・比較表示 |
Google広告では通常、VTCは専用列や「すべてのコンバージョン」で確認します。ただし、VTC最適化を利用する対象キャンペーンなどには例外があります。「コンバージョン列に常に含まれる/一切含まれない」と一律に決めないでください。
Metaは2026年3月に、リンク以外の操作を含む成果の分類変更とengage-throughという名称への移行を発表しています。古い記事の「動画を見た場合だけ」「7日ビューが必ず選べる」といった説明をそのまま設定に当てはめず、現在の広告セットと公式案内を確認します。
設定前にそろえる4項目
- 成果を一つに決める。購入、資料請求、会員登録を同じ件数として合算しない。
- 計測期間、タイムゾーン、計上日、キャンペーン種別を記録する。
- 購入完了などの計測が正常か、重複送信がないかを確認する。
- 設定変更日を記録し、変更前後の数字を同じ条件の推移と見なさない。
期間は「最も多く成果が出る設定」ではなく、検討期間と比較目的に合わせて選びます。同一媒体内で期間別の比較が可能なら、1日と長い期間で差を見る方法があります。差の全量を広告の追加効果とは呼びません。
重複集計の例:20件と15件を35件にしない
以下は説明用の架空例です。同じ期間の実注文が100件、広告AのVTCが20件、広告BのVTCが15件だったとします。両方の広告に接触した購入者がいれば、20+15件はユニークな購入者数ではありません。
集計 | 件数 | 適切な扱い |
|---|---|---|
受注システムの注文 | 100 | 注文の実数として管理 |
広告AのVTC | 20 | Aのルールで関連付けた成果 |
広告BのVTC | 15 | Bのルールで関連付けた成果 |
媒体合計 | 35 | 重複不明のため追加注文数として扱わない |
レポートを一画面に集めるだけで、媒体をまたいだ重複が自動的に解消するわけではありません。受注IDなどで接続できる範囲は照合し、接続できない範囲は不明として残します。個人情報を分析用のURLやイベントにそのまま送らない設計も必要です。
VTCから予算を判断する手順
VTC増加と同時に、実注文・新規顧客・売上・粗利益がどう変化したかを確認します。リターゲティングは購入予定者への接触も含み得るため、新規向け配信と分けてください。広告疲労の確認にはリーチとフリークエンシーも使います。
広告による増分を知りたい場合は、可能な範囲で非配信の比較群を設けるリフト実験などを検討します。単純な前後比較では、季節性、値下げ、他媒体の影響が残ります。件数が少ないときは、VTCだけで大きな予算変更をせず、仮説として次の検証に回すのが実務的です。
計測できない成果もある
同意の選択、ブラウザの制限、端末の違い、計測タグの状態によって観測範囲は変わります。Chromeについて「サードパーティCookieが全面廃止された」と一律に説明するのは不正確です。サーバー側の計測を導入しても、同意や媒体の制約を無条件に解消できるわけではありません。
VTCはクリックだけでは見えない接点を検討する補助指標です。媒体の定義、実注文、実験結果を分けて使うことで、過小評価と過大評価の両方を避けやすくなります。
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製品仕様・公式資料は2026年9月28日に確認しました。画面名や利用可能な機能は、アカウントや提供状況によって異なります。




