予算編成とは?全社の予算サイクルと部門別の役割

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カテゴリ: マーケティング予算・KPI
著者: 与謝秀作
企業の予算編成とは、経営方針を部門別の売上・費用・人員・投資の計画へ落とし込み、全社として整合させ、承認する一連の活動です。このページでは企業の社内予算を扱います。政府や自治体の法定の予算手続とは異なります。
実務で重要なのは、予算表の形式だけでなく、誰が前提を決め、誰が提出し、誰が調整・承認するかを決めることです。開始時期や会議の数は、会社の決算期・規模・投資内容に応じて設計します。
編成・策定・管理・予測の関係
用語 | 主な役割 | 成果物 |
|---|---|---|
予算編成 | 全社方針と部門案を調整して承認する | 承認済み全社予算、部門配分 |
予算策定 | 数量・単価・施策などから案を作る | 前提付きの予算案、シナリオ |
予実管理 | 承認予算と実績を比較し行動を決める | 差異分析、対応・承認記録 |
予測・見込み | 最新情報で将来の着地を見積もる | 最新見込み、前提の変更理由 |
用語の使い方は会社によって重なるため、社内ルールで意味をそろえます。特に予測の更新と、承認予算の変更は別です。最新見込みが変わっても、原予算を上書きして差異を消さないようにします。
全社の責任分担を決める
以下は中小企業向けの設計例です。Rは実行、Aは最終責任、Cは協議、Iは共有を示します。一つの判断のAを明確にし、複数部署が関わる場合も「誰も決めない」状態を避けます。
活動 | 経営 | 財務・管理 | 事業部 | マーケティング |
|---|---|---|---|---|
全社目標・上限を決める | A | R | C | C |
売上・供給能力を見積もる | C | C | A/R | C |
マーケ施策と必要費用を作る | I | C | C | A/R |
全社の重複・資金制約を調整 | A | R | C | C |
配分を承認する | A | R | I | I |
月次差異と見込みを提出する | I | A | R | R |
専任の財務担当がいない場合は、誰がその役割を兼ねるかを記載します。経営の目標と現場の実行可能性が食い違う場合は、数値を黙って合わせず、前提や追加資源を協議します。
部門から集める入力を統一する
売上は新規・既存、数量・単価、受注・計上の時期を分けます。費用は固定・変動、継続契約・単発、税と通貨、支払と計上の時期を整理します。人員や制作能力などの制約も同じ提出物に含めます。
共通提出欄 | 記入する内容 |
|---|---|
目的と対象期間 | 何をいつまでに達成するか |
数値の前提 | 単価、数量、率、契約条件。根拠と仮定を区別 |
必要費用 | 費目、月、施策・部門、見積もり元 |
依存関係 | 営業対応、人員、商品供給、システム対応 |
代替案 | 配分を減らす場合に何をやめるか |
下振れリスク | 条件が悪化した場合の影響と対応 |
責任者 | 作成、レビュー、承認、実績更新の担当 |
部門間の矛盾を調整する
架空の例で、マーケティングが月100件の商談創出を計画し、営業が月60件までしか対応できない場合、広告費の承認だけでは計画が成立しません。対象の絞り込み、営業の増員、獲得時期の変更、目標修正のどれを採るか判断します。
同じ制作費をマーケティング部と事業部が計上したり、採用時期と人件費の開始月がずれたりすることもあります。合計額を先に削るのではなく、数量・時期・担当の対応を点検してください。
承認後の変更ルールを決める
予算内の費目移動、総額の増額、新規契約など、変更の種類ごとに承認者と必要資料を定めます。金額の境界は自社の権限規程に合わせます。実績が確定する前の見込みも区別し、変更日、理由、影響、承認者を残します。
全社の予算サイクルは、方針→部門案→調整→承認→月次管理→次回編成へとつながります。具体的な工程と提出日程は予算策定プロセス、マーケティングの算出方法は予算の立て方で詳しく扱います。
最初の運用では、前提・責任者・承認履歴が追える共通表を用意します。専用ツールの有無より、全社目標と現場の行動が対応していることが重要です。
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