介護休暇とは?取得条件・日数と入院の付き添い、申請で確認すること

家族の通院に付き添う、介護サービスの手続きをする、支援の担当者と打ち合わせる。こうした短い時間の休みが必要なときに使える制度が「介護休暇」です。
まとまった期間の介護休業とは別の制度で、入院中の家族への対応でも対象となる場合があります。ここでは、日本の民間企業で働く人について、対象となる状態、使える日数、申請時の確認点を整理します。
対象は、2週間以上にわたり常時介護を必要とする家族
法定の介護休暇は、負傷、病気、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族の介護や世話のための休暇です。
「2週間以上」は、休暇を2週間まとめて取るという意味でも、介護を始めて2週間が過ぎるまで申請できないという意味でもありません。家族の状態が制度の対象となるかを判断する条件です。
介護保険の要介護認定と、育児・介護休業法の判断は同じものではありません。認定結果や医師の診断書がないことだけで、当然に制度を使えないと考えず、人事担当者に家族の状態と必要な世話を説明して確認しましょう。
高齢の家族だけを対象にした制度ではなく、障害のある子や配偶者なども対象になり得ます。ただし、乳幼児の通常の成長過程で必要になる日常の世話とは区別されます。
対象家族と働く人の条件を分けて確認する
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。「子」は養子を含む法律上の親子関係がある子を指します。
日々雇用される労働者を除き、対象家族を介護する男女の労働者が対象です。正社員という呼び名だけで決まらず、パートやアルバイトでも条件を満たせば利用できます。
労使協定がある場合は、週の所定労働日数が2日以下の労働者を対象外にできることがあります。一方、勤続6か月未満を労使協定で除外する仕組みは2025年4月に廃止されました。入社して間もないことだけで諦めず、現在の制度を確認してください。
1人なら年5日、2人以上なら合計10日
要介護状態にある対象家族の人数 | 1年度の法定日数 |
|---|---|
1人 | 5日まで |
2人以上 | 合計10日まで |
これは働く人ごとの枠です。家族が3人なら15日になるわけではなく、対象家族が2人いる場合に同じ家族のために10日使うこともできます。
年度は勤務先が別に定めていなければ、4月1日から翌年3月31日です。会社独自の上乗せ制度がある場合も含め、残日数と年度の区切りを確認しましょう。
取得は1日単位のほか、1時間単位でも可能です。例えば始業から続けて休む、終業まで続けて休む使い方があります。勤務の途中で抜けて戻る「中抜け」は法律上の一律の義務ではなく、会社の運用を確認します。
時間単位での取得が難しい業務について、労使協定で時間単位の対象外としている場合も、1日単位の取得まで当然に除外されるわけではありません。
入院の付き添いでも、必要な介護や世話があるかで考える
入院中だから対象外、入院したから自動的に対象、とは決まりません。要介護状態にある対象家族について、本人が必要な介護や世話を行うための休みかを確認します。
場面 | 相談するときの伝え方 |
|---|---|
通院や検査への付き添い | どのような支援が必要で、何時から何時まで付き添うか |
入院中の日常生活の支援 | 病院側の対応に加え、家族として必要な世話があるか |
退院後のサービス調整 | ケアマネジャー等との面談や手続きの内容と必要な時間 |
単なるお見舞い | 法定の介護や世話に当たるか、別の休暇が必要か |
「病院へ行くため」だけでは目的が伝わりにくいため、付き添いや調整の内容を簡潔に説明します。家族の診療情報を必要以上に広く共有せず、制度の確認資料は人事など指定の窓口に相談してください。
有給・無給は勤務先の規定による
介護休暇を有給にする法律上の一律の義務はありません。休んだ日や時間の賃金が支払われるか、無給の場合にどう控除するかは、就業規則や給与の規定を確認します。
法定の介護休暇は年次有給休暇とは別枠です。介護休暇を申し出たのに、自動的に年休の残日数を減らすものではありません。収入への影響を考えて年休を希望するときは、どの休暇を申請するかを明確にしましょう。年次有給休暇の基本も参考になります。
また、雇用保険の「介護休業給付金」は介護休業に関係する給付です。介護休暇を1日取れば同じ給付が自動的に出る、と混同しないようにしてください。
急な対応が必要なときは、まず連絡する
介護休暇は口頭での申出も可能で、突発的な事情では当日の申出も認められます。書面の提出を求める場合も、事後の提出でよい扱いが必要です。
- 介護休暇を希望すること、対象家族と必要な世話を伝える
- 1日か時間単位か、希望する日と時間を伝える
- 当日の仕事の引継ぎ先と、連絡方法を相談する
- 会社の申請様式と、事情を確認するための資料について確認する
例えば「父の退院後の介護サービスを調整するため、明日の始業から2時間、介護休暇を希望します。面談後の出勤見込みは11時です」と伝えます。これは、対象家族の状態など利用条件を満たす場合の伝え方です。
確認のための資料を求められることはありますが、特定の診断書の取得だけを一律の利用条件とするものではありません。手元にある資料で何を確認できるか、提出先と時期を相談します。
継続的な調整には介護休業なども検討する
毎回の休暇だけでは対応しきれない場合は、介護体制を整えるための介護休業、短時間勤務などの措置、残業に関する制度を合わせて相談します。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割できる制度ですが、介護休暇とは取得条件や申出手続きが異なります。
子どもの一時的な病気などで休む場合は、別制度の子の看護等休暇も確認してください。休暇の名前だけで決めず、家族の状態と必要な支援に合う制度を選ぶことが、働き続ける準備になります。
出典:厚生労働省「介護休暇」 / 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイント」 / 厚生労働省「よくあるお問い合わせ」 / 厚生労働省「介護休業」




