年収とは?手取り・額面・所得との違いをわかりやすく解説

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カテゴリ: 転職の不安・課題解決
著者: 与謝秀作
「年収」と聞いてイメージするのは、額面でしょうか、それとも実際に使えるお金でしょうか。求人票の年収と、口座に振り込まれる金額が違って戸惑った経験がある人もいるはずです。この記事では、年収とは何かをはじめ、「手取り」「額面」「所得」との違いを、具体例を交えてわかりやすく解説します。
※税率・社会保険料率・控除額は年度や制度改正で変わります。本記事の割合や目安はあくまで概算です。正確な金額は給与明細や国税庁・各保険者の情報でご確認ください。
年収とは
年収とは、1年間(1月1日〜12月31日)に会社から支払われた給与の総額のことです。基本給に加えて、残業代・各種手当・賞与(ボーナス)を合計した金額で、税金や社会保険料を差し引く前の「支払われた総額」を指します。
この「差し引く前の総額」が、次に説明する『額面』と同じ意味です。求人票や年収証明で示される年収も、基本的にこの額面の金額です。
年収(額面)と手取りの違い
年収まわりで最も混同しやすいのが「額面」と「手取り」の違いです。結論から言うと、額面は引かれる前、手取りは引かれた後の金額です。
額面(年収)とは
額面とは、税金や社会保険料が差し引かれる前の総支給額です。月単位なら「額面月収(総支給額)」、年単位なら「額面年収(=年収)」となります。給与明細では「総支給額」の欄がこれにあたります。
手取りとは
手取りとは、額面から税金と社会保険料を差し引いて、実際に口座へ振り込まれる金額です。計算式は次のとおりです。
手取り = 額面 -(社会保険料 + 所得税 + 住民税)
手取りの目安
手取りは、一般的に額面の約75〜85%が目安とされます。所得税は収入が上がるほど税率が高くなる累進課税のため、年収が高い人ほど手取りの割合は下がる傾向があります。
- 年収500万円ほどまで:手取りは額面の約80%前後
- 年収800万円:手取りは額面の約75%前後
- 年収1,500万円:手取りは額面の約67%前後
手取り率は、年齢(介護保険の有無)や扶養家族、住んでいる自治体などによっても変わります。
年収から引かれるもの
額面から手取りになるまでに引かれるのは、大きく「税金」と「社会保険料」の2つです。
税金(所得税・住民税)
- 所得税:その年の所得に対して国に納める税金。累進課税で、所得が高いほど税率が上がる。毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算される。
- 住民税:前年の所得をもとに住んでいる自治体へ納める税金。所得割(原則10%)と均等割の合計。前年に所得がない新社会人は1年目は原則かからない。
社会保険料
- 健康保険料:病気やケガに備える保険。会社と折半で負担する。
- 厚生年金保険料:将来の年金の原資。保険料率18.3%を会社と折半(本人負担は約9.15%)。
- 雇用保険料:失業などに備える保険。額面に一定料率をかけて計算する。
- 介護保険料:40歳以上が対象。健康保険料とあわせて徴収される。
新社会人は、住民税が2年目から発生するため、1年目より2年目のほうが手取りが減ったと感じることがあります。
「所得」との違い
「年収」と混同されやすいのが「所得」です。所得は税金を計算するための考え方で、年収そのものとは異なります。
- 給与所得:年収から「給与所得控除」(会社員の必要経費にあたる控除)を差し引いた金額。
- 課税所得:給与所得からさらに基礎控除や社会保険料控除などの「所得控除」を引いた金額。この金額に税率をかけて所得税を計算する。
つまり、年収(額面)から順に控除を引いていくと、給与所得 → 課税所得となり、課税所得に税率をかけたものが所得税です。年収がそのまま課税対象になるわけではない点がポイントです。
用語の違いまとめ
- 年収(額面):1年間の総支給額。税金・社会保険料を引く前の金額。
- 手取り:額面から税金・社会保険料を引いた、実際に受け取る金額。
- 給与所得:年収から給与所得控除を引いた、税法上の所得。
- 課税所得:給与所得から所得控除を引いた、税率をかける対象の金額。
年収を確認するときの注意点
- 求人票の年収は額面:記載の年収は税引き前。実際に使えるのは手取りなので、生活費は手取りベースで考える。
- 賞与込みか確認する:年収に賞与が含まれるかで印象が変わる。月給×12か、賞与込みかを確認する。
- 通勤手当の扱いに注意:求人の年収に通勤手当を含む場合と含まない場合がある。
- 制度改正で控除が変わる:基礎控除や給与所得控除、年収の壁などは改正されることがあるため、最新情報を確認する。
まとめ
年収・手取り・額面・所得は似ているようで、指す金額が異なります。違いを理解しておくと、給与明細や求人票を正しく読み解けるようになります。
- 年収(額面)=税金・社会保険料を引く前の総支給額
- 手取り=額面から税金と社会保険料を引いた実受取額(目安は額面の約75〜85%)
- 引かれるのは税金(所得税・住民税)と社会保険料
- 所得は税計算上の概念で、年収から給与所得控除を引いたもの
- 生活設計は手取りベースで考えるのが基本
自分の手取りは給与明細で確認できます。額面と手取りの差を把握しておくと、家計や転職時の年収比較にも役立ちます。




