11月・12月に退職したら年末調整はどこで?最終給与と再就職で確認する手順

11月に退職した人は、原則として前の会社で年末調整を受けません。ただし、同じ年に再就職して年末まで働く場合は、新しい勤務先で前職の給与を含めて精算することになります。中途退職者でも対象になる例外があるため、退職月だけで決めないことが大切です。
この記事は2026年分の給与に関する年末調整について、日本の居住者を前提に説明します。まず退職日、12月に支給期が来る給与の支払日、年内の再就職予定を確認しましょう。
退職日だけでなく「最終給与」と「再就職」を見る
退職後の状況 | 確認する方向 |
|---|---|
11月退職、年内に再就職しない | 原則として前職で年末調整なし。例外と確定申告・還付を確認 |
11月退職、12月に再就職し年末まで勤務 | 原則として新しい勤務先で前職分を含めて年末調整 |
12月に支給されるべき給与を受け取った後に退職 | 中途退職者でも年末調整の対象になり得る |
12月退職だが、その給与を受け取る前に退職 | 12月退職というだけでは対象にならない。他の条件を確認 |
年末調整は、扶養控除等申告書を提出しているなどの条件があります。給与収入が2,000万円を超える人などは対象外です。海外転出などで非居住者になる場合も別の確認が必要になります。
例えば11月30日に退職し、最終給与を12月25日に受け取る場合、「12月に振り込まれる」というだけで前職の年末調整の対象になるわけではありません。給与を受け取った後に退職した、という例外の条件とは異なるためです。
一方、12月25日に12月支給期の給与を受け取り、12月31日に退職する場合は、その例外に当たるかを前職の給与担当へ確認します。支給対象月と、支給期・実際の支払日を分けて伝えると行き違いを減らせます。
中途退職でも対象になる例外
国税庁の2026年分の案内には、死亡による退職、著しい心身の障害で年内の再就職が見込めない退職、12月支給期の給与を受けた後の退職などが示されています。
また、いわゆるパートタイマーなどが退職した場合、その年中に支払を受ける給与の総額が136万円以下で、退職後その年に他の勤務先から給与を受ける見込みがない人も対象になります。これは中途退職時の年末調整の条件であり、扶養や社会保険をすべて判断する共通の基準ではありません。
前年の記事の金額をそのまま使わず、2026年分の国税庁資料と自分の給与見込みで確認してください。
年内に再就職するなら、前職の源泉徴収票を渡す
新しい勤務先では、前職で扶養控除等申告書を提出して受けたその年の給与も含めて年末調整を行います。給与額、源泉徴収税額、社会保険料等を源泉徴収票などで確認する必要があり、確認できない場合は年末調整ができず、本人が確定申告で精算します。
- 前職へ源泉徴収票の交付時期と受取方法を確認する。
- 新しい勤務先へ、前職分を含める手続きと社内の提出期限を聞く。
- 源泉徴収票と、必要な控除申告書・証明書を提出する。
- 間に合わない場合は、会社で対応できるか、確定申告が必要かを確認する。
中途退職者の給与の源泉徴収票は、退職の日以後1か月以内の交付が必要です。まだ退職前なら、退職後の連絡先と送付先も伝えておきます。各欄の見方や紛失時の対応は源泉徴収票のガイドを参照してください。
連絡例:「11月30日退職、12月1日入社の予定です。2026年分の前職の源泉徴収票は交付待ちです。年末調整の提出期限と、遅れる場合の対応を教えてください」。
再就職しない場合は、還付の可能性と申告義務を分ける
給与から源泉徴収される所得税等は概算のため、年の途中で退職して年末調整を受けないと、納め過ぎになっていることがあります。退職後に自分で支払った社会保険料や適用できる控除も含め、年間の所得と税額を精算します。
ただし、退職した人は必ず税金が戻るわけではありません。源泉徴収された税額が0なら、その税の還付はなく、別の所得などによって追加納税が必要になる場合もあります。
申告義務がない人の還付申告は、原則として翌年1月1日から5年間提出できます。2026年分なら2027年1月1日から2031年12月31日までが基本です。申告義務がある場合や、期限内申告を条件とする特例では、この5年間をそのまま使えません。自分の申告要否と期限を確認してください。
年末調整は給与に関する精算であり、退職金の税や給与以外の所得をすべてまとめて終わらせる手続きではありません。副業や複数の給与がある場合は、副業と年末調整・確定申告も確認しましょう。
退職前に残しておきたい確認メモ
- 退職日と、最後の給与・賞与の支給期と支払日。
- 年内の再就職先・入社日、ほかの給与の有無。
- 前職が年末調整をするか、新しい勤務先へ何を提出するか。
- 源泉徴収票の交付予定と、退職後に支払う保険料の記録。
- 自分で申告する場合に使う控除証明書などの保管先。
所得税の精算と、退職後の住民税・健康保険・年金の手続きは別です。必要書類全体は退職時にもらう書類、天引きと年末調整の関係は源泉徴収の基本で整理しています。手続きの見通しを立て、次の仕事の開始日と書類の受け渡しを合わせて準備しましょう。
出典:国税庁:2026年分の年末調整の対象者 / 国税庁:中途就職者の年末調整 / 国税庁:中途退職で年末調整を受けていないとき / 国税庁:還付申告 / 国税庁:給与所得者への源泉徴収票の交付




