失業保険とは?受給条件・金額・期間・申請方法を完全ガイド

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カテゴリ: 転職の不安・課題解決
著者: 与謝秀作
会社を辞めたあとの生活を支えてくれるのが「失業保険(失業手当)」です。ただし、誰でも自動的にもらえるわけではなく、受給には条件があり、金額や期間も退職理由・年齢・雇用保険の加入期間によって変わります。この記事では、失業保険の受給条件・金額・期間・申請方法を、2025年4月の法改正や最新の金額(令和7年8月改定)を踏まえて完全ガイドとして解説します。
※本記事は制度の概要をまとめたものです。金額の上限・下限は毎年8月1日に改定され、個別の受給額・給付日数はハローワークが判断します。実際の手続きの際は必ずハローワークで最新情報をご確認ください。
失業保険(失業手当)とは
「失業保険」や「失業手当」は通称で、正式には雇用保険の「基本手当」といいます。働く意思と能力があるのに仕事に就けない人が、再就職までの生活を安定させ、求職活動に専念できるようにするための公的な給付制度です。
雇用保険に加入していた人が離職し、一定の条件を満たすと、ハローワークでの手続きを通じて基本手当を受け取れます。
失業保険の受給条件
基本手当を受け取るには、次の2つをどちらも満たす必要があります。
1. 雇用保険の被保険者期間の条件
- 一般の離職者(自己都合など):離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
- 会社都合など(特定受給資格者・特定理由離職者):離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること。
被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切り、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上(または賃金の基礎となった労働時間が80時間以上)ある月を1か月と数えます。
2. 「失業の状態」であること
就職しようとする積極的な意思と、いつでも就職できる能力がありながら、求職活動をしても職業に就けない状態を「失業の状態」といいます。ハローワークで求職の申し込みをして、実際に求職活動を行うことが必要です。
失業保険を受け取れないケース
- 病気やケガですぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のためすぐには就職できないとき
- 退職後しばらく休養する予定で、働く意思がないとき
- すでに次の就職先が決まっている、または自営業を始めたとき
- 家事に専念する、学業に専念するなど求職活動ができないとき
病気・出産などですぐ働けない場合は、受給期間の延長を申請できる制度があります。
失業保険の金額|いくらもらえる
受け取れる総額は「基本手当日額 × 所定給付日数」で決まります。1日あたりの金額である基本手当日額は、次の手順で計算します。
- 賃金日額を出す:離職前6か月間に支払われた賃金(賞与を除く)の合計 ÷ 180。
- 給付率をかける:賃金日額 × 給付率(原則50〜80%、60〜64歳は45〜80%)=基本手当日額。
給付率は、賃金が低い人ほど高く、賃金が高い人ほど低くなる仕組みです。在職中の給料が少なかった人ほど、手取りに対する補填の割合が高くなります。
基本手当日額の上限額(令和7年8月1日〜)
- 29歳以下:7,255円
- 30〜44歳:8,055円
- 45〜59歳:8,870円
- 60〜64歳:7,623円
基本手当日額の下限額は年齢に関係なく2,411円です。これらの上限・下限は毎年8月1日に改定され、次回改定は2026年8月1日の予定です。最新額は必ずハローワークで確認してください。
受給額の計算例
例:45歳・離職前6か月の賃金合計が180万円の場合。賃金日額は180万円÷180=1万円。給付率を約60%とすると、基本手当日額は約6,000円。所定給付日数が150日なら、総額は6,000円×150日=約90万円が目安になります。
実際の給付率は賃金日額に応じて細かく決まるため、正確な金額はハローワークで算定されます。
失業保険の期間|給付日数
受け取れる最大日数を「所定給付日数」といい、離職理由・年齢・雇用保険の被保険者期間の3つで決まります。倒産や解雇などやむを得ない離職(会社都合)は、自己都合より手厚く設定されています。
自己都合・定年退職などの場合
年齢に関係なく、被保険者期間に応じて次のとおりです。
- 10年未満:90日
- 10年以上20年未満:120日
- 20年以上:150日
会社都合など(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合
年齢と被保険者期間で細かく分かれます(被保険者期間:1年未満/1年以上5年未満/5年以上10年未満/10年以上20年未満/20年以上の順)。
- 30歳未満:90日/90日/120日/180日/—
- 30〜34歳:90日/120日/180日/210日/240日
- 35〜44歳:90日/150日/180日/240日/270日
- 45〜59歳:90日/180日/240日/270日/330日
- 60〜64歳:90日/150日/180日/210日/240日
会社都合か自己都合かで給付日数や支給開始時期が大きく変わります。離職理由の違いは受給額に直結するため、退職の種類は正確に把握しておきましょう。
待期期間と給付制限期間(2025年4月改正)
手続き後すぐにもらえるわけではありません。まず離職理由を問わず、受給資格決定日から7日間の「待期期間」があり、この間は支給されません。
自己都合退職の場合はさらに「給付制限期間」があります。2025年4月の法改正により、この給付制限期間は原則2か月から1か月に短縮されました。また、離職前1年以内などに厚生労働大臣が指定する教育訓練を受けた場合は、給付制限が解除されます。
会社都合退職には給付制限がなく、待期期間の7日が明ければ支給対象になります。なお、5年以内に3回以上正当な理由なく自己都合退職している場合は、給付制限が3か月になることがあります。
失業保険の申請方法|手続きの流れ
- 離職票を受け取る:退職後10日〜2週間ほどで前の勤務先から離職票が届く。
- ハローワークで求職の申し込み:離職票などを持参し求職申込書を提出。面談を経て受給資格が決定する。
- 雇用保険受給者初回説明会に参加:受給の仕組みやルールの説明を受け、受給資格者証などを受け取る。
- 求職活動を行う:原則4週間ごとの認定対象期間中に、決められた回数の求職活動実績が必要。
- 失業の認定を受けて受給:認定日にハローワークで失業を認定され、通常5営業日ほどで口座に振り込まれる。以降は再就職または給付日数終了まで認定と振込を繰り返す。
申請に必要な主な書類
- 離職票(1・2)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 写真(規定サイズ)※必要な場合
- 印鑑
失業保険の注意点
- 退職前に会社へ離職票の発行を依頼する:離職票が届かないと手続きが始められない。発行に時間がかかることもある。
- 求職活動実績を残す:認定日には求職活動の実績報告が必要。相談・応募・面接などの記録を残しておく。
- 上限額は毎年8月に変わる:退職時期によって適用される上限額が異なる。金額は最新値で確認する。
- 早期再就職には再就職手当がある:給付日数を多く残して再就職すると、残日数に応じた一時金を受け取れる場合がある。
まとめ
失業保険(雇用保険の基本手当)は、離職後の生活を支え再就職を後押しする制度です。受給には被保険者期間と失業の状態という条件があり、金額と期間は退職理由・年齢・加入期間で決まります。
- 受給条件は原則「離職前2年で被保険者期間12か月以上」+「失業の状態」
- 金額は賃金日額×給付率(50〜80%)で決まり、上限は毎年8月改定
- 期間(給付日数)は自己都合で90〜150日、会社都合はより手厚い
- 2025年4月改正で自己都合の給付制限が1か月に短縮
- 手続きはハローワークでの求職申込から始まり、認定を経て振込
退職の種類やタイミングで受給額は大きく変わります。計画的に準備し、正確な金額や条件は必ずハローワークで確認したうえで手続きを進めましょう。




