NPSアンケートの作り方|設問設計・集計方法・改善へのつなげ方

「顧客満足度を数字で把握したいけれど、どんなアンケートを作ればいいか分からない」——そんなときに役立つのがNPS(ネット・プロモーター・スコア)です。
NPSアンケートは、たった1つの基本質問から顧客のロイヤルティを測れる手軽さが魅力ですが、設問設計や集計方法を誤ると、せっかくのデータが活かせません。本記事では、NPSアンケートの作り方を、設問設計・集計方法・改善へのつなげ方の3ステップで解説します。
NPS(Net Promoter Score)とは、顧客が商品やサービスを他者にどれだけ薦めたいかを数値化した指標です。顧客ロイヤルティや継続利用の意向を測る指標として、多くの企業で導入されています。
一般的な顧客満足度調査が「満足したかどうか」を聞くのに対し、NPSは「人に薦めたいか」を聞く点が特徴です。薦める行動は満足を超えた強い支持を示すため、将来の収益や継続率との相関が高いとされています。
NPSアンケートで把握できる主なことは次のとおりです。
NPSアンケートは、基本質問と理由質問の2つを軸に設計します。シンプルだからこそ、聞き方の精度が結果を左右します。
NPSの中心となるのが、推奨度を11段階で尋ねる質問です。定番の聞き方は次のとおりです。
「あなたはこの商品(サービス)を、友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか?(0=まったく思わない 〜 10=非常にそう思う)」
ポイントは、0〜10の11段階で聞くこと。5段階や7段階に変えると、後述する集計の基準が崩れ、他社や過去データと比較できなくなります。
点数だけでは「なぜその評価なのか」が分かりません。基本質問の直後に、理由を尋ねる自由回答を1問置きましょう。
「その点数をつけた理由を教えてください」
この自由回答こそが、改善のための最も重要な情報源です。スコアの上下だけを追うのではなく、言葉から具体的な課題を拾います。
回答が集まったら、推奨度の点数に応じて回答者を3グループに分類します。
NPSは次の式で算出します。
NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)
たとえば回答100人のうち推奨者が40人、中立者が35人、批判者が25人なら、40% − 25% = 15 がNPSです。中立者はスコア計算には含めない点に注意してください。スコアは−100〜+100の範囲を取ります。
NPSの良し悪しは、業界や商習慣、国によって基準が大きく異なります。とくに日本は他者に薦める行動を控えめにする傾向があり、欧米よりスコアが低く出やすいと言われます。
そのため、絶対値の高低だけで一喜一憂するのは禁物です。重要なのは、同じ条件で測り続けて自社の推移を追うこと、そして同業他社とのベンチマークと照らすことです。
NPSは測って終わりではなく、改善のサイクルを回してこそ価値があります。スコアと自由回答を組み合わせて、次のように進めます。
とくに見落とされがちなのが中立者です。7〜8点の中立者は、少しの体験改善で推奨者に転じる可能性が高く、伸びしろの大きい層といえます。
NPSアンケートは、推奨度を0〜10で聞く基本質問と、理由を聞く自由回答という、ごくシンプルな設計が基本です。集計では推奨者の割合から批判者の割合を引いてスコアを算出し、平均や目安は業界・国の特性を踏まえて自社の推移で読み解きます。
そして最も大切なのは、スコアを改善のアクションにつなげること。批判者の声から課題を見つけ、中立者を推奨者へ押し上げる施策を回していけば、NPSは単なる数字ではなく、顧客との関係を育てるための羅針盤になります。