オンボーディングとは?設計と事例

公開日:
最終更新日:
カテゴリ: マーケ基礎用語, CRM・LTV・顧客管理
著者: 与謝秀作

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著者: 与謝秀作
「オンボーディング(onboarding)」は、新入社員が組織に早く馴染むための人事施策としてだけでなく、SaaSやアプリで顧客に価値を届けるためのカスタマーサクセス施策としても重要視される言葉です。本記事では、オンボーディングとは何かをわかりやすく整理し、2つの意味の違い、注目される背景、設計のポイント(ステップ)、そして代表的な手法・事例までを、初心者にも理解しやすい形で解説します。
オンボーディング(onboarding)とは、新しく加わった人が、組織やサービスにスムーズに馴染み、早期に成果や価値を得られるようにするための一連の仕組み・支援活動を指します。船や飛行機に乗り込むことを意味する「on-board(乗船・搭乗)」に由来し、「新しく乗り込んだ人を迎え入れ、独り立ちできるまで導く」というニュアンスを持ちます。
主に「人事・組織における新入社員のオンボーディング」と「サービスにおける顧客・ユーザーのオンボーディング(カスタマーオンボーディング)」の2つの文脈で使われます。
オンボーディングと混同されやすい言葉に「研修」や「OJT」があります。
つまり「教えること」だけでなく「馴染んで独り立ちし、続けてもらうこと」まで含めて捉えるのがオンボーディングの特徴です。
オンボーディングが広く注目されるようになった背景には、次のような要因があります。
オンボーディングは対象によって設計の考え方が異なります。ここでは代表的な2つを整理します。
新入社員や中途入社者が対象です。業務に必要な知識・スキルの提供に加え、メンターの配置、チームメンバーとの関係づくり、企業のミッションやカルチャーの共有などを通じて、早期の戦力化と定着を目指します。入社前(内定期間)から始め、入社後数か月〜1年程度を見据えて設計されることが一般的です。
新しく契約・登録した顧客やユーザーが対象です。初期設定のサポート、使い方のガイド、活用方法の提案などを通じて、顧客が製品の「価値」を最短で実感できるようにします。顧客が価値を感じるまでの時間(Time to Value)を短くすることが、その後の継続利用を大きく左右します。
効果的なオンボーディングを設計するには、次のステップとポイントを押さえましょう。
実際のカスタマーオンボーディングは、製品の性質や顧客層に応じていくつかの型に分けられます。ここでは代表的なパターンを紹介します。
初回ログイン時に、画面上のガイド(ツールチップやポップアップ)で操作手順を順番に案内する型です。ユーザーが実際に手を動かしながら基本操作を覚えられるため、多くのSaaSやアプリで採用されています。
「プロフィールを設定」「最初のデータを登録」といった初期タスクをチェックリストとして提示し、進捗をバーなどで可視化する型です。達成感が次のアクションを後押しし、初期設定の完了率を高めます。
担当者が個別に打ち合わせやトレーニングを行い、顧客の目的に合わせて導入を支援する型です。契約単価が高いBtoB SaaSなど、丁寧な立ち上げが必要な場面で用いられます。
利用開始からの経過や行動に応じて、使い方のヒントや次の一歩を段階的に届ける型です。ステップメールやアプリ内通知で、離脱しかけたユーザーの背中を押します。
オンボーディングの効果は、感覚ではなく数字で追うことが欠かせません。主に次の指標を見ます。
「早く価値にたどり着いてもらう」ことと「その後も使い続けてもらう」こと。この両輪を指標で追いかけ、改善につなげることが成功の条件です。
オンボーディング(onboarding)とは、新しく加わった人が組織やサービスにスムーズに馴染み、早期に価値を得られるよう支援する一連の取り組みです。人事における新入社員の定着支援と、SaaSなどにおけるカスタマーオンボーディングの2つの文脈で使われ、いずれも「早期の価値実感」と「定着」を目的とする点は共通しています。成功の鍵は、ゴールと価値を感じる瞬間を明確に定義し、段階的な成功体験を届けながら、指標をもとに改善し続けることです。まずは自社にとっての「独り立ち・価値実感の状態」を言語化するところから始めてみましょう。