プロジェクトマネジメントとは?基本の考え方と代表的な手法

プロジェクトマネジメントを調べると、体系や資格の話になりがちです。しかし実務で必要なのは、何を調整する仕事なのかと、どの進め方を選ぶかです。この記事では、基本の考え方と代表的な手法の使い分けを整理します。
定常業務との違いで考えると分かりやすくなります。
プロジェクトには始まりと終わりがあり、目的が達成されれば終了します。一方、定常業務は終わりがなく、同じことを繰り返します。
マーケティングでいえば、サイトリニューアルやイベントはプロジェクトです。広告の日次運用やSNS投稿は定常業務に近いものです。
この区別が必要なのは、管理の仕方が違うからです。終わりがあるものは納期から逆算し、終わりがないものは回し続けられる体制を作ります。
プロジェクトマネジメントの仕事は、次の3つのバランスを取ることです。
この3つは同時に満たせません。範囲を広げれば期間か資源が増え、期間を短くすれば範囲か資源を調整することになります。
実務での仕事は、このトレードオフを関係者に示して判断を引き出すことです。「全部やります」と引き受けると、どれかが崩れます。
3つのうち、どれを動かせないかを先に決めてください。
展示会に合わせるなら期間は固定です。予算が押さえられているなら資源が固定です。固定するものが決まれば、他の2つで調整するしかないと分かります。
手法は多くありますが、大きくは2つの考え方に分かれます。
ウォーターフォール型と呼ばれる進め方です。
要件を固めてから設計、制作、検証と順に進みます。全体像を先に描くため、納期と費用の見通しが立てやすいのが利点です。
弱点は、途中での変更に弱いことです。制作段階で前提が変わると、設計からやり直すことになります。
アジャイル型と呼ばれる進め方です。
一週間から数週間の単位で区切り、作っては反応を見て次を決めます。変更に強く、早い段階で検証できるのが利点です。
弱点は、全体の終わりが見えにくいことです。納期が固定されている場合、この進め方だけでは不安が残ります。
判断の軸は、作るものが最初から見えているかです。
完成形がはっきりしていて、途中で変わる余地が少ないなら、先に決めて順に進むほうが確実です。展示会の準備や、仕様が固まった制作物がこれにあたります。
逆に、やってみないと分からない要素が多いなら、短く区切って進めるほうが向いています。新しい市場への施策や、反応を見て変えるものがここに入ります。
どちらか一方を選ぶ必要はありません。
全体の範囲と納期は先に固め、中身の作り方は短く回す。この組み合わせが、実務では最も多い形です。
施策の種類によって、向く進め方が違います。
分かれ目は、やり直しのコストです。印刷物は刷ってしまえば戻せませんが、広告のクリエイティブは差し替えられます。
やり直せるものを先に固めすぎると、反応が悪くても変えられなくなります。逆に、戻せないものを見切り発進すると、後から大きな手戻りになります。
手法を選んでも、止まるときは止まります。多いのは次の3つです。
進めるうちに、当初なかった要望が追加されていく状態です。
防ぐには、やらないことを最初に書いておくことです。やることだけを並べると、書いていないものはやると解釈されます。
関係者が多いほど、誰の意見を通すかで止まります。
意見を聞く人と、最終的に決める人を分けてください。全員の合意を待つ形にすると、進まなくなります。
各自が進めているはずなのに、全体がどこまで来ているか分からない状態です。
進捗を人に聞かないと分からないなら、仕組みが不足しています。見れば分かる状態にしておかないと、確認だけで時間が減ります。
実務では必須ではありません。ただし、体系を一度学ぶと、見落としやすい領域に気づけるようになります。自分の得意な領域に偏るのを防ぐ意味では有効です。
関係者が一人か二人なら、形式的な管理は不要です。必要になるのは、部署をまたぐか、外部に依頼するか、期間が数ヶ月以上になるかのどれかに当てはまるときです。
納期が固定されているなら、範囲を調整する形にします。この日までにここまでは完成させる、という合意を先に取っておけば、短く回しても終わりは見えます。
変えること自体は問題ありませんが、変える理由を関係者に説明してください。進め方が変わると、報告の頻度や判断のタイミングも変わります。
どの手法を選んでも、今どこまで進んでいるかが見えていなければ判断できません。進捗、使った予算、成果が別の場所にあると、確認だけで時間が減ります。
Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。
新しいプロジェクトを始めるときは、範囲・期間・資源のうちどれが固定されているかを確かめてみてください。そこが決まれば、調整できる余地が見えてきます。