退職メールの書き方|社内・社外・取引先向け例文10選

退職が決まったら、お世話になった方々への挨拶メールは欠かせません。とはいえ「件名はどうする?」「いつ送るのが正解?」「社外には転職先を書いていい?」など、迷うポイントは意外と多いものです。送り方を一歩間違えると、最後の最後で印象を損ねてしまうリスクもあります。
この記事では、退職メールを送る際の基本マナーから、社内(上司・同僚・全体)・社外(取引先・お客様)向けのコピペで使える例文10選までを徹底解説します。送信タイミング・件名のつけ方・転職先の書き方・返信が来たときの対応まで網羅したので、退職メール作成のチェックリストとしてご活用ください。
退職メールは、これまでお世話になった人たちへ感謝を伝え、円満に区切りをつけるための大切なコミュニケーションです。単なる事務連絡ではなく、最後の印象を決める「ビジネスマナーの集大成」とも言えます。まずは退職メールの役割と、送る前に確認しておくべきポイントを整理しましょう。
退職メールには次の3つの役割があります。
特に社外向けでは、3つ目の「後任の案内」が極めて重要です。担当者が突然消えると相手の業務に支障が出るため、引き継ぎ情報をきちんと示すことが信頼維持につながります。
退職メールを送る前には、必ず以下の3点を確認してください。
上司の了承を得ずに取引先へ退職を伝えると、社内トラブルになりかねません。必ず社内合意ができてから外部に発信するのが鉄則です。
退職メールを送るタイミングは、相手との関係性によって変わります。社内・社外それぞれの目安を押さえておきましょう。
社内向けの退職メールは、最終出勤日の当日に送るのが一般的です。終業の1〜2時間前、業務がひと段落するタイミングに送ると相手に読んでもらいやすくなります。
全社員に一斉送信する場合は、所属部署や日頃やり取りのある関係者には個別メールを別途送ると、より丁寧な印象になります。「全体向けは簡潔に、個別はやや具体的に」と使い分けるのがコツです。
取引先やお客様への退職メールは、退職日の2〜3週間前を目安に送ります。早すぎると引き継ぎ前で混乱を招き、遅すぎると相手に業務調整の時間を与えられません。後任者が決まり、引き継ぎが進められる段階で送るのがベストです。
重要な取引先には、メール送付の前後で対面または電話での挨拶もセットで行うと、より丁寧で印象に残ります。可能であれば後任者を連れて訪問し、顔合わせまで済ませておくと相手も安心できるでしょう。
始業直後・終業間際・休日・深夜の送信は避けましょう。相手の業務リズムを邪魔しない、平日の10〜16時頃が無難です。月曜午前と金曜夕方も慌ただしくなりがちなので、できれば外すのが望ましいです。
退職メールには、相手や場面が違っても共通する基本構成があります。次の5つの要素を順番に押さえれば、誰宛てでも失礼のないメールが書けます。
件名は「退職」と「自分の名前」を入れて一目で分かるようにします。長すぎず、感情的な表現を避けるのがコツです。
社外宛ては「会社名(株式会社を省略しない)→部署名→役職→氏名+様」の順で書きます。社内宛ては「部署+氏名+さん」または「役職+氏名」が一般的です。複数人へのCCやBCCを使う場合、宛名は「関係者各位」「お取引先各位」と書きます。
本文は次の3要素を順番に書くと整理されます。
理由は「一身上の都合」とするのが一般的で、転職先名や具体的な事情は書きません。社外向けでは特にこのルールを徹底しましょう。
締めには相手や会社のさらなる発展を願う一文を入れます。よく使われる表現を覚えておくと便利です。
署名には会社名・部署・氏名・連絡先を記載します。社内向けや親しい人には、必要に応じて個人のメールアドレスを記載しても問題ありません。一方、取引先全般に個人連絡先を伝えるのはトラブルの原因になり得るので避けましょう。
ここからは、社内向けの退職メール例文を5パターン紹介します。相手によって伝える内容や温度感を調整しましょう。
最終出勤日に全社員へ送るパターンです。簡潔さと温かみのバランスを意識します。
件名:退職のご挨拶(営業部 山田太郎) 社員の皆様 お疲れ様です。営業部の山田太郎です。 私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により、本日〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することになりました。 本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、お許しください。 入社から〇年間、たくさんの方々に支えていただきながら業務に取り組んでまいりました。皆様のおかげで多くの経験を積むことができ、心から感謝しております。 至らない点も多々あったかと存じますが、温かくご指導いただきましたこと、改めて御礼申し上げます。 末筆ながら、皆様の今後のご活躍と〇〇株式会社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 短い間ではございましたが、本当にありがとうございました。 営業部 山田 太郎
普段から指導を受けた上司には、感謝のエピソードを具体的に盛り込むと心に残ります。
件名:退職のご挨拶(山田太郎) 〇〇部長 お疲れ様です。山田太郎です。 本日が最終出勤日となります。改めまして、これまでのご指導に心より感謝申し上げます。 入社直後の新規開拓案件で行き詰まっていた際、〇〇部長から「焦らずに顧客の課題から逆算しよう」とご助言いただいたことは、今でも仕事の指針として大切にしております。 身近で多くのことを学ばせていただき、本当にありがとうございました。 至らぬ部分も多く、ご迷惑をおかけしたことも数多くあったかと思いますが、温かくご指導いただいたこと、深く感謝しております。 今後も〇〇部長から学んだ姿勢を忘れず、新天地でも精進してまいります。〇〇部長のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 本当にありがとうございました。 営業部 山田 太郎
日頃から関わりの深い同僚や先輩には、やや砕けつつも丁寧に。退職後も関係を続けたい場合は個人連絡先を添えても構いません。
件名:退職のご挨拶(山田太郎) 〇〇さん お疲れ様です。山田です。 本日が最終出勤日となります。お忙しいなか、メールでのご挨拶となり申し訳ありません。 同じチームで一緒に案件を進めさせてもらい、本当に楽しい時間でした。特に〇〇のプロジェクトでは、〇〇さんと議論を重ねながら形にしていく過程が、私にとって大きな学びになりました。 これからは別々の道を歩むことになりますが、〇〇さんと働けた時間を糧に、新しい職場でも頑張ります。 もしよろしければ、引き続き個人的にも連絡を取れたら嬉しいです。下記の連絡先を記載しておきますので、お時間のあるときに飲みにでも誘ってください。 個人メール:xxx@xxxx.com 携帯:090-XXXX-XXXX 本当にお世話になりました。〇〇さんのこれからのご活躍を心より応援しています。 山田 太郎
後輩や部下に対しては、これまでの労いと今後への期待を伝えます。
件名:退職のご挨拶(山田太郎) 〇〇さん お疲れ様です。山田です。 本日が最終出勤日となります。チームの仲間として一緒に働けた時間は、私にとってかけがえのないものでした。 入社時から真摯に業務へ取り組む〇〇さんの姿勢には、私自身も多くを学ばせてもらいました。これからもその姿勢を大切に、ぜひご自身のキャリアを切り拓いていってください。 業務の引き継ぎについては、後任の△△さんに丁寧に申し送りをしておりますが、分からないことがあれば遠慮なく相談してください。私も可能な範囲でフォローします。 〇〇さんのこれからの活躍を、心から楽しみにしています。本当にありがとうございました。 営業部 山田 太郎
社長や役員クラスへのメールは、形式を整え、より丁寧な表現を選びます。普段は接点が少なくても、退職時には改めて挨拶を送ると印象に残ります。
件名:退職のご挨拶(営業部 山田太郎) 〇〇代表取締役社長 お疲れ様でございます。営業部の山田太郎です。 私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により、本日〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりました。 〇年前に入社させていただいて以来、社長が掲げる「〇〇」というビジョンのもとで働けたことは、私にとって大きな財産となりました。日々の朝礼や全体会議で伺ったお言葉の一つひとつが、今でも私の仕事観の根幹を支えています。 至らぬ点ばかりでご迷惑をおかけしたかと存じますが、最後まで温かく見守っていただきましたこと、心より御礼申し上げます。 末筆ながら、〇〇株式会社のますますのご発展と社長のご健勝を心よりお祈り申し上げます。 本当にありがとうございました。 営業部 山田 太郎
社外向けは「業務の継続性」が最重要です。後任の紹介と引き継ぎ情報を明確に伝えましょう。5つのパターンを紹介します。
最も標準的なパターンです。退職の報告と後任紹介をセットで伝えます。
件名:退職のご挨拶と後任のご紹介(〇〇株式会社 山田太郎) 株式会社△△ 営業部 〇〇様 平素より大変お世話になっております。〇〇株式会社の山田太郎でございます。 私事で大変恐縮ですが、このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりました。 在職中は〇〇様に多大なるお力添えを賜り、心より感謝申し上げます。特に〇〇プロジェクトでは、〇〇様のご協力なしには成し遂げられなかったと感じております。 後任は同じ営業部の△△が務めさせていただきます。後日改めて△△よりご連絡を差し上げますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 △△ △△ メール:△△@xxxx.co.jp 電話:03-XXXX-XXXX 本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦ください。 末筆ながら、貴社のますますのご発展と〇〇様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。 〇〇株式会社 営業部 山田 太郎
特に深く関わってきた取引先には、具体的なエピソードと感謝を盛り込みます。
件名:退職のご挨拶(〇〇株式会社 山田太郎) 株式会社△△ 〇〇部長 いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の山田太郎でございます。 私事で恐縮ですが、このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりました。 〇〇部長には〇年以上にわたり、公私ともに大変お世話になりました。特に〇〇案件では、〇〇部長から賜ったご助言が現場の判断軸となり、無事にプロジェクトを完遂することができました。心より感謝申し上げます。 お取引につきましては、後任の△△が引き続き責任を持って担当させていただきます。後日、△△と共にご挨拶に伺いたく存じますので、改めて日程調整のご連絡を差し上げます。 本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところを、まずはメールにて失礼いたします。 末筆ながら、貴社のますますのご発展と〇〇部長のご健勝を心よりお祈り申し上げます。 〇〇株式会社 営業部 山田 太郎
BtoBのクライアントには、業務継続への不安を払拭する言葉を添えます。
件名:担当者変更と退職のご挨拶(〇〇株式会社 山田太郎) 株式会社△△ ご担当者様 平素より格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。〇〇株式会社の山田太郎でございます。 このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなり、貴社の担当を外れることとなりました。 在職中は数多くのご支援を賜り、心より御礼申し上げます。お引き立てのおかげで、私自身も多くを学ばせていただきました。 後任は弊社営業部の△△が務めさせていただきます。引き継ぎは完了しておりますので、これまでと変わらぬサービスをご提供できるよう努めてまいります。今後のお問い合わせは下記までご連絡ください。 後任者:△△ △△(営業部) メール:△△@xxxx.co.jp 電話:03-XXXX-XXXX 短い間ではございましたが、本当にお世話になりました。末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 〇〇株式会社 営業部 山田 太郎
多数の取引先へまとめて連絡する際は、必ずBCCを使い、宛名は「お取引先各位」とします。CCで送ると個人情報の漏えいとなりトラブルにつながります。
件名:退職のご挨拶と後任のご紹介(〇〇株式会社 山田太郎) お取引先各位 平素より大変お世話になっております。〇〇株式会社の山田太郎でございます。 私事で大変恐縮ですが、このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりました。 在職中は皆様に多大なるご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。皆様のお力添えがあったからこそ、業務を進めることができました。 後任は同部署の△△が務めさせていただきます。後日改めて△△よりご連絡を差し上げます。引き続き変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。 後任者:〇〇株式会社 営業部 △△ △△ メール:△△@xxxx.co.jp 電話:03-XXXX-XXXX 本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールにて失礼いたします。BCCにてお送りしますことも合わせてご容赦ください。 末筆ながら、皆様のますますのご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。 〇〇株式会社 営業部 山田 太郎
入社後すぐの退職や、関係が浅い相手にもしっかり区切りをつけたい場合のメールです。簡潔ながら誠実さを意識します。
件名:退職のご挨拶(〇〇株式会社 山田太郎) 株式会社△△ 〇〇様 お世話になっております。〇〇株式会社の山田太郎でございます。 このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして〇〇株式会社を退職することとなりましたので、ご報告申し上げます。 短い期間ではございましたが、〇〇様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。後任は△△が務めさせていただきますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。 後任者:〇〇株式会社 営業部 △△ △△ メール:△△@xxxx.co.jp 末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。 〇〇株式会社 営業部 山田 太郎
せっかくの退職メールも、いくつかの落とし穴があります。代表的なNG例を押さえて、トラブルを未然に防ぎましょう。
取引先や社外宛てに転職先の社名を書くのは避けるのが無難です。同業他社への転職の場合、競合関係や守秘義務のトラブルにつながりかねません。社内の親しい同僚へ個別に伝える程度に留めましょう。
退職理由として「人間関係に疲れた」「待遇に不満があった」など、ネガティブな内容を書くのはマナー違反です。最後の印象を悪くするだけでなく、後々まで残る記録となるため、感情的な表現は避けましょう。
複数の取引先にCCで送ると、お互いのメールアドレスが見えてしまい、情報漏えいとして問題視されます。必ずBCCを使い、宛名は「お取引先各位」と書きましょう。
退職の情報は会社の機密情報です。上司や人事の了承を得る前に、取引先へ退職を匂わせる連絡をすると社内トラブルにつながります。社内合意 → 社外連絡の順を必ず守りましょう。
最後のメールだからこそ、誤字脱字や宛名間違いは絶対に避けたいところです。特に社名・人名・役職は、送信前に必ず複数回チェックしましょう。「(株)」表記ではなく「株式会社」と正式表記にするのも基本マナーです。
退職メールには多くの場合、返信が届きます。すべてに丁寧に対応するのが理想ですが、最終出勤日の前後は慌ただしいもの。優先順位を決めて対応しましょう。
返信をもらった相手には、簡潔でも構わないので必ずお礼を返すのがマナーです。「お忙しい中ご返信いただきありがとうございます」と一文添えて、改めて感謝とこれからの活躍を願う言葉で締めましょう。
複数の返信が同時に届いた場合は、業務上の引き継ぎに関する内容を最優先に。次いで上司、同僚と進めると効率的です。社外への返信は退職前にすべて完了させる前提で動きましょう。
件名:Re: 退職のご挨拶 〇〇様 お忙しい中、温かいご返信をいただき誠にありがとうございます。 〇〇様にそのようなお言葉を頂戴し、これまでの仕事を改めて誇りに感じております。 新天地でもご教示いただいたことを糧に精進してまいります。〇〇様の今後のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 本当にありがとうございました。 山田 太郎
社内向けは最終出勤日の終業1〜2時間前、社外向けは退職日の2〜3週間前が目安です。社外向けは引き継ぎが進行している段階で送ると、相手も対応しやすくなります。
具体的な退職理由は書かないのがマナーです。「一身上の都合により」とだけ記載すれば十分です。具体的な事情をメールで伝えると、不要な詮索や誤解を招くおそれがあります。
社外宛てには書かないのが基本です。社内向けでも、親しい同僚への個別メールに限定するのが無難です。同業他社への転職は特に慎重に扱いましょう。
親しい関係の社内メンバーや、退職後も連絡を取り続けたい相手には個人メールアドレスを記載しても構いません。一方、取引先全般や一斉送信のメールに個人連絡先を載せるのは、トラブルの原因になるため避けましょう。
基本的にはすべて返信するのがマナーです。短くてもよいので、感謝の一文を添えて返しましょう。時間がない場合でも、業務関係と上司は優先的に対応するのが望ましいです。
有給消化中であれば、最終出勤日に社内・社外への退職メールを送り終えるのが理想です。やむを得ない事情で送れなかった場合は、退職日までに会社のメールアドレスから送信しましょう。退職日を過ぎてからは会社のメールアカウントは使えなくなるため、注意が必要です。
退職メールは、これまでお世話になった方々への感謝を伝えると同時に、後任への引き継ぎを円滑に進めるための重要なコミュニケーションです。社内・社外で送るタイミングや内容は違いますが、「感謝・誠実・配慮」という芯はどの相手にも共通します。
本記事のポイントを振り返ります。
退職メールは、あなたの社会人としての姿勢が表れる最後の文書です。10年後にも「気持ちのいい辞め方をする人だった」と覚えてもらえるよう、丁寧に整えて送りましょう。本記事の例文をベースに、自分の言葉でアレンジを加えれば、相手の心に残る一通になります。新しい一歩を気持ちよく踏み出すためにも、最後の挨拶を大切にしてください。

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