フローチャートテンプレートの作り方|業務別の構成と作成手順

フローチャートを作ろうとして、白紙を前に手が止まる。記号の意味は分かっていても、どこから書き始めてどう組み立てるかは別の問題です。実は業務の種類ごとに、フローの骨格にはある程度決まった型があります。この記事では、業務別の構成パターンと作成手順、そして型に当てはめるときの注意点を整理します。
業務フローは、ゼロから考えるより既存の型に当てはめたほうが早く仕上がります。多くの業務は、申請と承認、受付と対応、依頼と納品といった、限られたパターンの組み合わせでできているからです。
型を使う利点は、速さだけではありません。よくある抜けを事前に潰せることのほうが大きい効果です。承認フローなら差し戻しの経路、問い合わせ対応なら一次回答で解決しない場合の扱い。これらは自分で考えると忘れがちですが、型に含まれていれば漏れません。
ただし型はあくまで出発点です。自社の実態と違う部分は、必ず書き換えてください。型に合わせて業務を説明すると、図と現実がずれます。
稟議、経費精算、休暇申請など、申請して承認を得る業務の型です。最も使用頻度が高く、構造も単純です。
申請の作成 → 内容の確認 → 承認の判断 → 承認なら実行、否認なら差し戻し → 完了
よくある抜けは3つ目です。承認者不在で止まる事態は必ず起きますが、フローに書かれていないことがほとんどです。
顧客からの問い合わせ、社内のヘルプデスク、クレーム対応などの型です。外部との接点があるぶん、承認フローより分岐が多くなります。
問い合わせの受付 → 内容の分類 → 一次回答が可能かの判断 → 可能なら回答、不可なら担当部署へ引き継ぎ → 対応の完了確認 → 記録
この型では、完了の定義を明示することが特に重要です。回答を送った時点なのか、相手から解決の返信があった時点なのか。ここが曖昧だと、対応済みのはずの案件が後から蒸し返されます。
見積もりから納品、請求までの一連の流れです。関わる部署が多く、書類のやり取りが発生する点が特徴です。
引き合いの受付 → 見積もりの作成 → 社内承認 → 見積書の提出 → 受注の判断 → 受注なら発注処理と納品 → 検収 → 請求
受発注フローは長くなりがちなので、見積もりまでと受注後で図を分けるのが実務的です。1枚に詰め込むと、どちらの局面も読みにくくなります。
コンテンツ制作、資料作成、広告クリエイティブなど、成果物を作って確認を通す業務の型です。
依頼の受付 → 要件の確認 → 制作 → 社内チェック → 修正 → 依頼元の確認 → 修正 → 納品
この型で最も重要なのが、修正のループをどこで止めるかです。無制限に戻る矢印を描くと、図としては正確でも運用の歯止めがなくなります。回数か期限で区切りを入れてください。
型を選んだあとの進め方です。
2つ目の順序が重要です。最初から例外を含めて描こうとすると、分岐が増えすぎて全体像が見えなくなります。
型をそのまま使うと、自社では行っていない処理が図に残ることがあります。実在しない工程が書かれた図は、読んだ人を混乱させるだけです。1つずつ、実際に行っているかを確認してください。
型に合わせているうちに、本来こうあるべきという理想が混ざることがあります。現状を可視化したいのか、改善後の姿を描きたいのかを決めてから作ってください。混ざった図は、どちらの目的にも使えません。
ExcelやPowerPointの図形機能でも作れます。フローチャート用の記号が一通り揃っており、追加のツールを導入せずに始められる点が利点です。
欠点は、記号を1つ追加するたびに線を引き直す手間がかかることです。頻繁に更新する図には向きません。
判断の目安として、年に数回しか更新しないならExcelやPowerPointで十分です。手順の変更が多い業務なら、記号の追加や並べ替えが簡単な作図ツールを検討する価値があります。
多くの場合、複数の型の組み合わせで表現できます。たとえば採用業務は、応募の受付(問い合わせ対応の型)と、選考の合否判断(承認フローの型)の組み合わせです。分解してから当てはめてみてください。
A4またはスライド1枚に収まる分量が上限です。収まらないなら、局面ごとに図を分けてください。受発注なら見積もりまでと受注後、制作なら要件確定までと制作以降、といった切り方になります。
分岐が5つ以上あるなら、フローチャートが最適な表現ではない可能性があります。条件と結果の対応を表にまとめる決定表のほうが、漏れなく整理できることがあります。
見る場面が業務の中に組み込まれていないと、必ず放置されます。新任者の説明で使う、引き継ぎ時に渡す、改善の検討で開く。使い道を先に決めてから作ると、粒度の判断もしやすくなります。
フローチャートが表せるのは、処理の順番と分岐です。誰がいつまでにやるか、全体としていつ終わるかは表せません。手順が固まったら、次はそれを日程と担当に落とす作業が残ります。
施策の実行フローを設計したあと、スケジュールと予算・成果を紐づけて管理する段階では、図だけでは追いきれなくなります。Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。
型は考える手間を省くための道具であって、答えではありません。まずは自社の業務に近い型を選び、正常に進む経路だけを一本描いてみてください。そこに分岐を足していくほうが、白紙から考えるよりはるかに早く仕上がります。