マーケティングは内製化すべきか|領域別・損益分岐で判断する5つの基準

内製化すべきかを調べると、ノウハウ蓄積やスピードといった利点が並びます。しかし実際の判断では、金額が合うかどうかが先に来ます。この記事では、内製と外注の損益分岐をどう計算するかと、領域ごとに分岐点が違う理由を整理します。
外注費と人件費を並べて比べると、内製のほうが安く見えます。
この比較には、内製側のコストがいくつか抜けています。
逆に外注側にも、見積書に出てこないコストがあります。依頼書の作成、進捗確認、成果物のチェック。これらは自社の工数です。
内製は固定費、外注は変動費です。この違いが分岐点を作ります。
作業量が少ないうちは外注が安く、ある量を超えると内製が逆転します。
4つ目が重要です。「将来的に増えるはず」で内製化すると、増えなかったときに固定費だけが残ります。
分岐点は領域によって大きく違います。違いを生むのは、作業の発生頻度と専門性の高さです。
広告の日次運用、SNSの投稿、メール配信などです。
毎日発生する上に、外注すると手間が増えます。少しの変更にも連絡が必要になるためです。一定以上の規模になれば、早い段階で内製が有利になります。
動画制作、大規模なサイト構築、専門的なデータ分析などです。
年に数回しか発生せず、必要な技能の習得に時間がかかります。内製化しても手空きの期間が長く、分岐点に到達しないケースが多いです。
記事制作やバナー制作は、発注量次第でどちらにも振れます。
この領域では、修正回数を見てください。往復が多い仕事は、単価以上に待ち時間のコストがかかります。
損益分岐で判断してよいのは、手順が決まっている作業だけです。
判断を伴う工程は、安くても外に出してはいけません。
これらを外部に任せると、コストは下がっても事業の方向をコントロールできなくなります。
ここまでをまとめると、見るべきは次の5点です。
伴うなら、金額に関係なく内製です。この問いで分けてから、残りを損益分岐で判断します。
週に複数回なら内製の検討価値があります。月に数回以下なら、外注のほうが安く済むケースがほとんどです。
見落とされがちな点です。内製化しても、その人の時間を埋められなければ単価は下がりません。
周辺業務を含めて、週の稼働が埋まるかを確かめてください。
1人しかできない状態は、コスト以上のリスクです。
内製化するなら、最低でも手順が残っている状態を作ってください。それができないなら、外注のほうが安全です。
外注は契約を終了すれば止まりますが、内製は人を抱えたままです。
事業の方向が変わる可能性が高い領域は、外注で柔軟性を保つ判断もあります。
一度内製化したものを外に戻すのは、失敗ではありません。
次のような場合は、戻す検討をしてください。
3つ目が出ているなら、内製化の目的が反転しています。判断を取り戻すために始めたはずが、作業に埋もれて判断が止まっている状態です。
蓄積したいのが作業の技能なのか、判断の経験なのかで変わります。後者なら、実作業を外注したままでも蓄積できます。バナーを自分で作らなくても、どの表現が反応したかは分かります。
手数料の中身を分解してみてください。入稿作業なのか、分析と提案なのかで、内製化で浮く額が違います。全額を削れる前提で計算すると、内製化後に見込み違いになります。
それが現実的な進め方です。判断だけ先に引き取り、実作業は引き続き任せる。この状態でも、代理店への指示の質が変わるため成果に差が出ます。
分岐点を超えた領域では下がります。ただし、コスト削減を主目的にすると判断を誤りやすくなります。安く上げることを優先すると、安い人を採って成果が下がるという結果になりがちです。
損益分岐を計算するには、現在の外注額と、それがどの施策に使われているかが見えている必要があります。発注先ごとの請求と、施策の成果が別々に管理されていると、集計だけで数日かかります。
Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。施策単位で金額が見えていれば、内製化の検討は数字から始められます。
内製化の判断で最も効くのは、今の作業量で計算することです。まずは直近1年の外注額を領域別に並べて、発生頻度を数えてみてください。分岐点を超えている領域があれば、そこが候補です。