マーケティング戦略フレームワーク7選|目的別の使い分け

マーケティング戦略のフレームワークは、情報を整理して意思決定を助ける道具です。7種類をすべて埋める必要はありません。「何を決めたいか」「どの情報が不足しているか」から選び、最後に行動・担当・検証条件へつなげます。
手法 | 決めたいこと | 必要な情報 | 出力 |
|---|---|---|---|
PEST | 外部変化への対応 | 政治・経済・社会・技術の変化と出典 | 前提が変わる条件と対応案 |
ファイブフォース | 業界の収益構造 | 既存競争、参入、代替、買い手、売り手 | 参入・価格・取引条件の判断 |
3C | 選ばれる理由の探索 | 顧客、競合、自社の観測情報 | 提供価値の仮説 |
SWOT | 選択肢の整理 | 内部の強弱、外部の機会・脅威 | 優先する戦略案 |
STP | 対象と立ち位置の選択 | 課題別の市場区分と評価 | 重点顧客と価値提案 |
4P | 提供方法の整合 | 商品、価格、販路、販促の現状 | 変更する施策と条件 |
バリューチェーン | 価値とコストの発生箇所 | 提供工程、工数、品質、依存関係 | 内製・外注・改善の優先順位 |
PEST:自社への影響まで書く
大きなトレンドを並べるだけでなく、対象地域・期間を定めます。たとえば技術の普及が顧客の期待や提供コストをどう変えるかを記します。制度に関する記述は一次資料で適用対象と時点を確認し、未確定事項はシナリオとして区別します。
ファイブフォース:競合社名リストで終わらせない
直接競合だけでなく、買い手の乗り換えやすさ、仕入先への依存、顧客が別の方法で課題を解決する可能性を見ます。「競争が激しい」から値下げと短絡せず、供給条件や独自の提供工程を変えられるか検討します。
3C:自社の強みを顧客側から確認する
顧客の重要課題、代替手段、自社の提供能力を照合します。「サポートが強い」という自己評価だけでは不足です。どの顧客が何を評価したのか、他社や内製と何が異なるのかを確認します。
SWOT:事実から選択肢へ変換する
強み・弱みは内部、機会・脅威は外部に分けます。同じ変化が顧客層によって機会にも脅威にもなるため、前提を併記します。強みと機会を組み合わせた案にも、必要費用・人材・失敗条件を追加して比べます。
STP:年齢や企業規模だけで区切らない
Segmentationで課題や利用状況を分け、Targetingで提供能力・収益性・到達可能性から重点対象を選び、Positioningで代替手段との違いを定めます。ポジショニングマップの軸は、顧客が比較に使う基準から設定します。
4P:訴求と提供実態の矛盾を直す
Product・Price・Place・Promotionを同じ対象顧客に向けて設計します。手軽さを訴求するのに契約や導入が複雑なら、広告より先に提供方法の改善が必要な場合があります。各変更の担当と指標まで決めます。
バリューチェーン:集客の外側も見る
調達から提供・利用支援まで、活動別に価値とコストを整理します。短期の制作単価だけで外注を選ばず、引継ぎ、修正、品質管理、顧客対応の工数を含めます。工程を削るとどの価値が失われるかも確認します。
組み合わせ例:問い合わせは来るが契約されない
仮想の業務サービスを考えます。3Cで失注理由を読むと、機能不足より導入負担が問題という仮説が出ました。STPで自力導入できない小規模チームに対象を絞り、4Pで支援付きプランと説明資料を設計します。バリューチェーンで支援工数を確かめ、採算を満たす範囲で試します。全7種類を順番に実施する必要はありません。
分析を実行につなげる記録表
記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
観測事実と出典 | 面談で設定作業への不安が繰り返し出た。対象と件数を記録 |
仮説 | 初期設定支援が比較時の不安を減らす |
判断と担当 | 提供部門と営業が支援の試行範囲を決める |
検証と見直し | 導入完了率と支援工数を確認し、採算と負荷を再評価 |
資料には事実の出典と日付を残し、推測を事実のように扱わないことが重要です。定例の見直しに加え、価格、顧客行動、主要な供給条件が変わった際は、結論に使った前提を更新してください。




