マーケティング業務のワークフロー自動化|手戻りを減らす仕組みの作り方

依頼したはずの作業が進んでいない。完成したと思ったら、前提が違っていて作り直しになった。マーケティングの現場で手戻りが多いのは、作業が遅いからではなく、情報の渡し方に原因があることがほとんどです。この記事では、自動化で解決できる範囲と、自動化しても残るものを分けて整理します。
最初に用語を整理しておきます。マーケティングの自動化には2つの意味があり、混同されがちです。
この記事で扱うのは後者です。MAを導入しても、社内の手戻りは減りません。別の問題として切り分けて考える必要があります。
自動化を考える前に、何が手戻りを生んでいるかを特定します。原因によって、自動化が効くかどうかが変わります。
依頼する側が必要な情報を渡していないケースです。掲載先、サイズ、納期、参考資料。これらが欠けたまま作業が始まると、完成後に作り直しになります。
自動化が最も効く領域です。入力フォームを必須項目付きにするだけで、相当数が消えます。
何を満たせばOKなのかが分からないまま進めて、確認段階で差し戻されるケースです。トーンが違う、ターゲットの想定が違っていた、といった形で現れます。
自動化では解決しません。基準を言語化して共有する作業が先に必要です。ただし、基準が決まったあとなら、チェックリストとして仕組みに組み込めます。
依頼がメール、修正指示がチャット、仕様が別のファイルにある状態です。どれが最新か分からなくなり、古い情報で作業してしまいます。
自動化というより、集約が効く領域です。情報が1か所に集まっていれば、自動化しなくても手戻りは減ります。
ツールを探す前に、依頼の受付口を一本化してください。これが最も効果が大きく、しかも今日からできます。
依頼がメール、チャット、口頭、会議での依頼とばらばらに入ってくる限り、どんなツールを入れても漏れます。
制作依頼を例にすると、次の項目を必須にしておくと、前提の確認漏れが減ります。
5つ目が重要です。誰の確認で確定なのかを最初に決めておかないと、完成後に別の人から意見が出てやり直しになります。
受付口を揃えたあとに、仕組み化する価値が高いものです。
作業が終わったときに、次の担当者に自動で通知が飛ぶ形です。手動で声をかけていると、忘れた瞬間に止まります。
確認待ちが一定日数を超えたら、自動で催促する仕組みです。人が催促すると気を遣う分だけ遅れますが、仕組みなら気を遣いません。
施策が登録されたら、必要なタスクが自動で作られる形です。毎回同じ項目を手入力しているのであれば、テンプレート化する価値があります。
ここを見誤ると、導入後に期待が外れます。
自動化が取り除けるのは、伝達と転記と忘れだけです。判断と調整は残ります。むしろ、伝達と転記が減った分を判断と調整に回せることが利点です。
自動化で最もやりがちな失敗です。漏れを防こうとして通知を増やすと、やがて誰も見なくなります。
通知を設計するときの基準は、受け取った人に行動が必要かどうかです。行動しなくてよい情報は、見に行けば分かる場所に置けば十分です。
目安として、1人が1日に受け取る自動通知は5件までです。それ以上になるなら、まとめて定期配信にするか、通知する対象を絞ってください。
1つ目を飛ばすと、実は大して発生していないところを自動化してしまいます。印象ではなく回数を数えてください。
すでに使っているツールの機能を先に見てください。タスク管理ツールやチャットツールに、テンプレートやリマインドの機能があることが多いです。新しいツールを増やすと、情報の分散がむしろ進みます。
依頼する側の手間が増えていないか確認してください。入力項目が多すぎると、チャットで送ったほうが早いとなり、フォームが使われなくなります。項目は5つ前後に押さえるのが現実的です。
例外を含めようとせず、標準パターンだけを仕組みにしてください。全体の7割が回れば十分です。残りは個別対応で構いません。すべてをカバーしようとすると、複雑すぎて誰も使えなくなります。
手戻りの回数と、依頼から完了までの日数です。導入前に測っておかないと比較できないので、始める前に1ヶ月分だけ記録しておくことを推奨します。
自動化の効果は、情報がどこにあるかで大きく変わります。依頼と進捗と予算が別の場所にあると、通知を飛ばしても受け取った側が確認に行く手間は残ります。
Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。見る場所が1つになっていれば、通知の数自体を減らせます。
自動化は、手戻りの原因を特定してから手をつけるものです。まずは直近1ヶ月で、どの工程で何回戻ったかを数えてみてください。意外なところに集中しているはずです。