マーケティングカレンダーの作り方|施策・準備日・負荷をそろえる記入例

マーケティングカレンダーは、広告、イベント、ブログ、メールなど複数の施策を同じ時間軸で見て、準備と実施の重なりを調整するための表です。公開日を埋めるだけでは、制作や承認に必要な枠が見えません。施策ID、準備開始日、担当、必要工数、予算の意味をそろえて作りましょう。
年間は方針と固定日、月次は施策の配置、詳細タスクは日々の進行という三つの粒度に分けると、一覧を細かな作業で埋めずに済みます。以下の表はコピー用です。週番号・工数・金額は架空の説明例であり、すべてのチームに適切な標準値ではありません。
マーケティングカレンダーが扱う範囲を決める
まず、カレンダーで決めたいことを明確にします。「顧客への案内が同日に重なっていないか」「同じ編集者に承認依頼が集中していないか」「固定イベントまでに準備できるか」など、横断的な判断が中心です。一つの施策の企画や効果検証をすべて同じ表で完結させる必要はありません。
層 | 置く情報 | 決めること | 詳細の参照先 |
|---|---|---|---|
年間 | 重点テーマ、固定イベント、予算の枠 | どの時期に何を優先するか | 事業方針と予算計画 |
月次 | 施策ID、準備期間、実施期間、担当 | 施策間の重なりをどう調整するか | 各施策の計画 |
詳細タスク | 成果物、次アクション、依存、期限 | 誰が何をいつ終えるか | 制作/作業の台帳 |
Asanaのマーケティングカレンダーの例でも、チャネル、担当、開始・終了、状態などを結び付けて整理しています。必要な項目は、自社が行う判断から選んでください。見た目の形式をそろえることより、同じ施策を同じIDで参照できることが大切です。
目標・固定日・担当から施策台帳を作る
最初に動かせない日と、変更できる予定を分けます。展示会開催日、契約上の納期、既に顧客へ告知した日などは変更の影響が大きく、社内の公開予定とは扱いが違います。各施策の目的と対象、担当責任者を確認してから、実施期間と準備枠を入れます。
ID | 目的/チャネル | 準備開始 | 実施 | 担当 | 工数の仮見積 | 予算枠 | 制作物 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
M-01 | 既存顧客向け説明会/ウェビナー | W1 | W4 | 企画A | 24人時 | 10万円 | C-01告知記事 |
M-02 | 参加判断の案内/メール | W2 | W3 | 運用B | 8人時 | M-01に含む | C-02メール原稿 |
M-03 | テーマの解説/ブログ | W1 | W3 | 編集C | 16人時 | 制作費5万円 | C-03解説原稿 |
W1〜W4は説明用の週区分です。実際には日付範囲と休日を定義してください。工数は誰の何を含むかを統一し、外注費は予算列へ分けます。M-02のように費用を別施策へ含める場合は、参照IDを明記すると二重計上を避けやすくなります。
担当が決まっていない施策を確定予定として置かないでください。候補として残し、担当と準備条件を確認する日を決めます。制作物ごとのタイトル、レビュー、公開URLはコンテンツカレンダーに持たせ、施策一覧にはIDで参照させます。
準備開始日を公開・開催日から逆算する
準備開始日は、制作期間だけでなく、確認、差し戻し、素材の受領、配信設定を含めて考えます。公開日から逆算した案を、実際に着手できる日と担当の稼働に照らし合わせます。固定日からの逆算が合わなければ、工程を省く前に範囲や担当、実施日を見直しましょう。
作業 | 仮の必要営業日 | 先行条件 | 担当 | 確認すること |
|---|---|---|---|---|
制作 | 5日 | 構成が合意されている | 制作担当 | 素材と実作業枠はあるか |
内容承認 | 2日 | 確認用の版を提出 | 責任者 | 承認者の予定を押さえたか |
配信テスト | 1日 | 承認済み原稿と対象条件 | 運用担当 | 修正を戻す枠があるか |
すべて直列、休日なし、途中の待ちなしと仮定すれば、上の作業は5+2+1=8営業日です。ただし、これは公開日の8営業日前に着手すれば必ず間に合うという意味ではありません。素材待ち、複数の承認、修正の必要性があれば、別の時間がかかります。過去の同種案件を見て、作業時間と待ち時間を分けて見積もります。
一律に「10%の余裕」を足すのではなく、不確実な工程に何が起こり得るかを記してください。具体的な日付の組み方はスケジューリングの手順、承認や引き渡しの区切りはマイルストーンの設定例と合わせて設計できます。
月次カレンダーの記入例でチャネルをそろえる
月次表示には実施日だけでなく、主要な準備期間も表示します。次の例は同じ説明会に向けて複数チャネルを使うケースです。案内メールを先に送るなら、リンク先の記事がいつ閲覧可能になるかも確認します。チャネルごとに別々の予定を作り、連携条件を後から探す方法では見落としが生じやすくなります。
施策 | W1 | W2 | W3 | W4 | 連携条件 |
|---|---|---|---|---|---|
M-01説明会 | 内容/登壇者確認 | 申込導線準備 | 案内と参加者確認 | 開催・記録 | 案内先が確定 |
M-02メール | 対象条件確認 | 原稿制作 | 承認後に配信 | 必要に応じ再案内 | C-01の実URLを使用 |
M-03ブログ | 構成/制作 | レビュー | 公開予定 | 公開後確認 | 説明会の記事とは役割を分ける |
この表ではM-01に紐づくC-01告知記事を別のコンテンツ行で管理し、M-03の解説記事C-03と区別しています。同じテーマだからといって同じ成果物IDにしないでください。年間、施策、制作物をIDでつなぎ、詳細の原稿やレビュー指摘を月次表へ重ねて転記しないようにします。
負荷と予算の重なりを見て延期・縮小を決める
空いている日があることと、作業できる余力があることは別です。定常業務、休暇、既に約束した仕事を除いた担当別の枠へ、予定施策を割り付けます。月全体で余裕があっても、同じ週や同じ承認者へ仕事が偏れば調整が必要です。
仮に月間の実行可能枠が80人時、計画した施策の工数が72人時なら、未割当は8人時です。8÷80=10%ですが、この10%は算例の結果です。常に10%で十分という基準ではありません。見積もりの範囲や不確実性を確認し、担当者別・週別でも同じ照合を行います。
衝突の例 | 選択肢 | 判断材料 | 影響先 |
|---|---|---|---|
W3に同じ編集者の確認が3件 | 公開をずらす/別担当/範囲縮小 | 固定日、必要品質、担当の専門性 | 案内メールと制作物 |
月内の費用枠を超える | 延期/内容変更/追加承認 | 確定発注、変更可能費用、目的 | 予算計画と発注 |
素材が開催前に届かない | 代替素材/内容変更/延期 | 権利、説明の正確さ、代替可能性 | 登壇者と顧客案内 |
金額と工数は別の単位なので足し合わせません。社内工数を費用換算する場合は単価と範囲を明示し、外注見積に既に含まれる作業を二重に計上しないようにします。調整結果は関連施策の担当へ共有し、一つの日付だけを変えて終わりにしないでください。
変更履歴と実績を残し、次月へ引き継ぐ
更新する人と、予定を変更できる人を決めます。担当者は状況と見積りを更新し、対外案内、予算、他施策へ影響する変更は責任者が判断します。対応環境でのExcel共同編集も選択肢です。ツールを変える前に共有元、編集権限、更新時点がそろっているかを確かめましょう。
ID | 変更前 | 変更後 | 理由 | 決裁者 | 関連する更新 |
|---|---|---|---|---|---|
M-03 | W3公開 | W4公開 | 編集者の承認枠が不足 | 責任者A | 案内文とレビュー予定を変更 |
M-01 | 開催内容案v1 | v2へ変更 | 登壇者の確定範囲に合わせる | 企画責任者 | C-01記事とC-02メールを照合 |
実施後は実施日、実工数、費用、観測期間、目的に対応した結果を残します。配信本数と申込み数、検索表示と参加者数など、違う指標を置き換えないでください。結果の増減には季節、告知範囲、商品条件なども影響します。次月は予定と実績の差、承認待ち、重なりの調整に使った時間を確認し、必要な項目と工程を改善します。




