スケジューリングとは?計画倒れしない立て方の手順
作ったときは完璧に見えたスケジュールが、2週間後には誰も見なくなっている。計画倒れは、意志が弱いから起きるのではありません。立て方の段階で、崩れることが確定しているだけです。この記事では、スケジューリングとは何を決める作業なのか、計画が倒れる4つの原因、そして崩れにくいスケジュールの立て方を手順で解説します。
スケジューリングとは|順序と日付を決めて実行可能にする作業
スケジューリングとは、やるべきことに順序と日付を割り当て、実行できる形に落とす作業です。予定表を埋めることではありません。埋まっているだけの予定表なら、誰でも作れます。
判定基準はひとつです。「この通りに進めば終わる」と自分が信じられるか。信じられないのに提出しているスケジュールは、計画ではなく願望です。この記事で扱うのは、願望を計画に変える手続きです。
計画が倒れる4つの原因
手順の前に、なぜ倒れるのかを押さえておきます。原因が分かっていないまま手順をなぞっても、同じことが起きるからです。
1. 見積もりが楽観的になっている
人は自分の作業時間を短く見積もります。しかも、過去に何度も超過していても、次の見積もりはやはり楽観的になります。前回の超過は例外だったと解釈されるからです。
意識で直せるものではないので、仕組みで対処します。自分の感覚ではなく、過去の実績から見積もる。似た作業が前回何日かかったかを調べて、その数字を出発点にするだけで精度は上がります。実績を次の見積もりに返す手順は工数管理にまとめています。
2. 他人の時間を織り込んでいない
自分の作業日数だけを積んだスケジュールは、必ず延びます。レビューに出してから戻ってくるまでの日数、承認の待ち時間、外部パートナーの営業日。これらは自分の都合では動かせません。
目安として、社内のレビューは中1〜2営業日、社外の確認は中3〜5営業日を見ておきます。この待ちは作業ではないので工数には含めませんが、日程には確実に乗ります。工数と期間を分けて考えるのが、ここでのポイントです。
3. 未確定のことを確定として置いている
見落とされがちですが、影響は最も大きい原因です。使うツールが決まっていない、予算の承認が降りていない、担当者が確定していない。この状態で先の日程を引くと、未決事項が決まった日から後ろに全体がスライドします。
対策は、未確定のものをタスクとして並べないことです。代わりに「いつまでに決めるか」を期限付きで課題管理表に載せ、その決定日を起点にして後続の日程を組みます。確定しているものとしていないものを混ぜないだけで、スケジュールの寿命は大きく伸びます。
4. 余裕をタスクごとに分散させている
各タスクに少しずつ余裕を持たせると、その余裕は必ず使い切られます。期限が3日あれば作業は3日かかる、ということが普通に起きます。結果として、全体では余裕を取っていたはずなのに、どこにも余裕がない状態になります。
崩れないスケジュールの立て方|6ステップ
STEP1:やることを先に全部出す
日付を入れる前に、タスクを洗い出します。順番を逆にすると、思いついた作業だけが並んだスケジュールになり、抜けていた作業があとから割り込んで全体を押し出します。洗い出しの手順と粒度の基準はWBSの作り方を参照してください。ここで、確認してもらう作業と直す作業を忘れずに入れておきます。
STEP2:所要時間を見積もり、稼働率で割る
各タスクの工数を人日で置きます。そのうえで、合計工数をそのまま営業日数にしないことが重要です。1日8時間を丸々この作業に使える人はいないので、実稼働率70〜80%で割って日数に変換します。
STEP3:依存関係で順序を決める
「これが終わらないと始められない」関係を整理して、着手できる日から順に並べていきます。この段階では納期を見ないでください。納期から逆算して埋めると、机上では収まるが実行不可能な計画ができ上がります。依存関係を図で押さえる方法はガントチャートの作り方にまとめています。
STEP4:動かせない日と突き合わせる
ここで初めて納期を見ます。積み上げた結果が納期に収まらなければ、この段階で判断します。選択肢は3つしかありません。範囲を削る、人を増やす、期日を交渉する。「なんとか間に合わせる」で提出すると、その時点で計画倒れが確定します。
STEP5:節目を置く
承認や引き渡しなど、後戻りできなくなる地点に節目を置きます。タスクの進捗を毎日追わなくても、節目だけ確認していれば軌道のずれに気づけます。置き方の基準はマイルストーンの設定方法をご覧ください。
STEP6:余裕を末尾にまとめる
原因4で触れたとおり、余裕はタスクごとに持たせず、工程の末尾にまとめて置きます。全体の10〜20%が目安です。まとめて見えていれば、使わなかったときに前倒しできますし、使ったときには「どこで何日使ったか」が記録として残ります。
