タスクの優先順位のつけ方|アイゼンハワーマトリクスなど4つのフレーム
やるべきことが10個あって、今日終わるのは3個。このとき何を選ぶかで一日の成果が決まります。優先順位のつけ方に毎回迷うのは、判断基準を持たずにその場で考えているからです。この記事では、場面によって使い分けられる4つのフレームと、フレームを使っても優先順位がつかないときの対処法を解説します。
優先順位がつけられない本当の理由
「全部重要だから選べない」という状態には、ほぼ共通の原因があります。何を捨てるかを決めていないことです。
優先順位をつけるとは、順番を並べ替えることではありません。今日やらないものを確定させる作業です。1位を決めるだけなら簡単ですが、それは残りの9個を後回しにすると宣言したのと同じことです。この宣言を引き受けないままフレームだけ使っても、結局すべてが「高」になります。
逆に言えば、後回しにする判断さえできれば、どのフレームを使っても大きくは外しません。以下の4つは、どの場面でその判断をしやすいかが違うだけです。
4つのフレームの使い分け
- アイゼンハワーマトリクス:手元のタスクを今日・今週の単位で捌くとき
- MoSCoW:期限が動かせず、範囲を削るしかないとき
- インパクト×工数:やるかどうか自体を選べる打ち手が複数あるとき
- 依存関係優先:チームで動いていて、自分の遅れが他人を止めるとき
1. アイゼンハワーマトリクス|重要度と緊急度で4つに分ける
最も知られているフレームです。タスクを重要度と緊急度の2軸で4象限に分けます。
- 第1領域(重要・緊急):今すぐやる。当日締切の提出物、トラブル対応
- 第2領域(重要・緊急でない):予定を取る。仕組み化、学習、関係づくり
- 第3領域(重要でない・緊急):任せるか減らす。多くの依頼と会議がここに入る
- 第4領域(重要でない・緊急でない):やらない
このフレームの価値は、第1領域の判定ではなく第2領域の扱いにあります。第2領域には締切がないため、放っておくと永久に着手されません。だから「やる」で終わらせず、カレンダーに枠を取るところまでをセットにします。ここを予定化できるかどうかが、一年後の差になります。
注意点は、緊急度が他人から与えられるのに対し、重要度は自分で決めなければならないことです。「四半期目標に直結するか」といった重要度の基準を先に言語化しておかないと、届いた順にすべてが第1領域に見えてしまいます。
2. MoSCoW|期限が動かないとき、範囲を削る
MoSCoWは、やることを4段階に分類する手法です。
- Must:これがないと成立しない。落とした時点で失敗になるもの
- Should:重要だが、なくても成立する。可能な限り入れる
- Could:あれば嬉しい。余力があれば手をつける
- Won't:今回はやらない。明示的に外す
高い・低いではなく、入れる・入れないの線を引くための道具です。最大の特徴はWon'tを明示することにあります。曖昧に後回しにするのと、今回はやらないと決めて記録するのとでは、後の揉め方がまったく変わります。削った事実が残っていれば、次の機会に拾い直すこともできます。
目安として、Mustが全体の6割を超えていたら分類できていません。本当に落とせないものだけがMustです。納期に間に合わないと分かったときの具体的な削り方としても使えます。節目そのものの置き方はマイルストーンの設定方法にまとめています。
3. インパクト×工数|複数の打ち手から選ぶ
効果の大きさと必要な工数の2軸で並べ、効果が大きく工数が小さいものから着手します。
- 効果大×工数小:最優先。ここから着手する
- 効果大×工数大:計画して取り組む。分割できないかを先に検討する
- 効果小×工数小:手が空いたときに。まとめて処理する
- 効果小×工数大:やらない
精度を上げたい場合は、感覚の大小ではなく数値を入れます。効果を1〜10、工数を人日で置き、効果÷工数の順に並べるだけでも、議論が主観の言い合いから抜けます。ただし数値化そのものに時間をかけないでください。5分で埋まらない評価表は、判断の道具ではなく作業になっています。
